今回は、OEM先の生産改善の進め方について、OEM先へのアプローチ、何をまず、提案すればよいかなどを解説します。
1. OEM先、生産改善のポイント
OEM先、生産改善のポイントは、次の3点です。
- OEM先の意識改善
- OEM先の具体的な指導内容・指導方法
- 発注会社の経営方針
“鶏とタマゴ”の話はよく事例として取り上げられると思いますが、三つ目の「発注会社の方針」作りから始めます。鶏を育てることを優先します。OEM先との協業関係作りです。
良いタマゴを直ぐに食べたい(結果が直ぐに欲しい)気持ちは判りますが、良いタマゴを“安定的・継続的”に得ようとすれば、良い鶏を育てる必然が生まれます。
自社のカイゼン活動、生産性向上活動を、手本・見本として見せられないかです。『俺もやるから、おまえもやれ!』という姿勢が必要です。(「俺たちはやらないけど、あんたたちOEM先なんだからやってよ!」では心に響かないのです)
自社にカイゼン事例がなければ、OEM先と一緒に『共同改善』を実施することをお勧めします。『共同コスト改善』、『共同VE活動』、『共同生産性向上』などの施策テーマが候補です。
勿論、当面は自社が主導権を獲り、リーダーシップを発揮して頂きます。次いで、徐々にOEM先の独り立ちを支援していく要領です。恐らく、一つ目の「OEM先の意識改善」にも良い影響を与えます。
そして、二つ目の「OEM先の具体的な指導内容・指導方法」についてですが、「トヨタ式の生産方式」、「カイゼン活動」、「QC7つ道具」、「ムダ(ムリ・ムラ)の定義」、「作業効率(能率)」などの基本技術の習得も重要です。体系的に整理し直して、観点・視点毎に“愚直に”推進されれば成果は得られます。
2. 製造現場のカイゼン活動の観点・視点の例
設備...
改善の観点・視点、作業者改善の観点・視点、工程改善の観点・視点、稼働率向上の観点・視点、作業能率向上の観点・視点、管理損失削減の観点・視点、省人化の観点・視点、歩留り向上の観点・視点など。
カイゼンの基盤がある工場(会社)であれば手段方法優先でも成果は出せます。基盤が脆弱な(未熟な)工場では、まずは基盤創り→手段方法の展開→基盤の創り直し→更なる手段方法の展開へ進めることです。粘り強い指導力が必要です。