ソフトウェア開発とERP

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ERP

1. ソフトウェアの開発

 日本の製造業は長くメカや電気製品などハードウェアが中心に発展してきました。ソフトウェア産業は主として情報システム会社が大型計算機上で動くプログラムを開発するあるいは業務委託で作るという業態で行われてきました。マイコンが登場するのは1970年代からなので、そのマイコン上でソフトウェアを作って動かすという歴史自体がそれほど長くありません。

 1980年代頃に能力の高いCPUが登場しパソコンも発展してくるなかで、OA機器や制御装置等いわゆる組込みシステムにこうしたマイコン制御が使われるようになったのです。それから20
年近くの間に、CPUの能力やメモリ集積度は飛躍的に向上し、その上で動くソフトウェア開発も急速に拡大してきました。

 当初はソフトウェアも大した分量でもなく機能も限定されていましたが、プログラム量も今では数百万行、数千万行ものによっては億単位になる製品もあります。一方、こうした組込み製品は元々がハードウェア主体の歴史的経緯があるため、開発手法もハードウェアのプロセスの中でついでに行われるという雰囲気でした。しかしこれほどの規模になると、ちゃんとしたマネジメント体系でやらないと開発が破綻するなどその困難度は増しているのも事実です。

 現在多くの製造業では増え続け、どんどん複雑化してくるソフトウェア開発にどう取り組んだら良いのか悩んでいます。競争が激しいので、コストをかけず短納期で作らねばならず、作り直す場合でもずっと流用開発をしてきました。過去の資産をどうするか、今後どのように効率的にソフト開発するかは大きな課題となっています。

 一つの方向として、モデルベース開発に移行するというやり方も提唱されています。これまでは大量のソースコードと、不十分なドキュメントを前に格闘するということを繰り返してきたのですが、もはやそれでは不可能なので、より上流の段階で人間の思考に馴染みのある記述で考え、ソースコードは自動的に作成するというものです。

 とはいえ、そうした技術を適用できる製品・システムはまだ限られていることもあり、まだまだ現場の奮闘は続くと思われます。

2. 製番管理

 製番管理は日本国内の受注型生産を行う製造業ではとてもポピュラーな生産管理方式です。この製番というのは、営業が受注してきた案件に製番(オーダとも称される)を割り当て、その製番に設計から製造にいたるモノや加工、設計の費用などを全て紐付けて管理するというものです。アメリカなど海外ではどちらかというと繰り返し生産を含む量産型の生産概念が主流なため、製番管理、製番システムと言っても理解してもらえないことが多いです。

 海外ではERPパッケージソフトを使った生産管理が行われますが、日本ではこの製番管理があるため多くの企業ではERPをそのまま使うことができません。私も以前あるERPの導入プロジェクトで製造モジュールを使えないかを検討したことがありますが、上述したように繰り返し量産にしか対応しておらず、また現場毎にかなり違うシステムで運用されてきていることもあり結果的に断念した記憶があります。

 日本の製...

 

ERP

1. ソフトウェアの開発

 日本の製造業は長くメカや電気製品などハードウェアが中心に発展してきました。ソフトウェア産業は主として情報システム会社が大型計算機上で動くプログラムを開発するあるいは業務委託で作るという業態で行われてきました。マイコンが登場するのは1970年代からなので、そのマイコン上でソフトウェアを作って動かすという歴史自体がそれほど長くありません。

 1980年代頃に能力の高いCPUが登場しパソコンも発展してくるなかで、OA機器や制御装置等いわゆる組込みシステムにこうしたマイコン制御が使われるようになったのです。それから20
年近くの間に、CPUの能力やメモリ集積度は飛躍的に向上し、その上で動くソフトウェア開発も急速に拡大してきました。

 当初はソフトウェアも大した分量でもなく機能も限定されていましたが、プログラム量も今では数百万行、数千万行ものによっては億単位になる製品もあります。一方、こうした組込み製品は元々がハードウェア主体の歴史的経緯があるため、開発手法もハードウェアのプロセスの中でついでに行われるという雰囲気でした。しかしこれほどの規模になると、ちゃんとしたマネジメント体系でやらないと開発が破綻するなどその困難度は増しているのも事実です。

 現在多くの製造業では増え続け、どんどん複雑化してくるソフトウェア開発にどう取り組んだら良いのか悩んでいます。競争が激しいので、コストをかけず短納期で作らねばならず、作り直す場合でもずっと流用開発をしてきました。過去の資産をどうするか、今後どのように効率的にソフト開発するかは大きな課題となっています。

 一つの方向として、モデルベース開発に移行するというやり方も提唱されています。これまでは大量のソースコードと、不十分なドキュメントを前に格闘するということを繰り返してきたのですが、もはやそれでは不可能なので、より上流の段階で人間の思考に馴染みのある記述で考え、ソースコードは自動的に作成するというものです。

 とはいえ、そうした技術を適用できる製品・システムはまだ限られていることもあり、まだまだ現場の奮闘は続くと思われます。

2. 製番管理

 製番管理は日本国内の受注型生産を行う製造業ではとてもポピュラーな生産管理方式です。この製番というのは、営業が受注してきた案件に製番(オーダとも称される)を割り当て、その製番に設計から製造にいたるモノや加工、設計の費用などを全て紐付けて管理するというものです。アメリカなど海外ではどちらかというと繰り返し生産を含む量産型の生産概念が主流なため、製番管理、製番システムと言っても理解してもらえないことが多いです。

 海外ではERPパッケージソフトを使った生産管理が行われますが、日本ではこの製番管理があるため多くの企業ではERPをそのまま使うことができません。私も以前あるERPの導入プロジェクトで製造モジュールを使えないかを検討したことがありますが、上述したように繰り返し量産にしか対応しておらず、また現場毎にかなり違うシステムで運用されてきていることもあり結果的に断念した記憶があります。

 日本の製造現場では実に多くの工夫が凝らされています。自分たちの仕事をやりやすくするためであったり、取引先やサプライヤーの都合などに細かく対応してきたため、製番管理も会社の数だけあるといえます。大きな企業では工場が各地にあり、工場ごとに異なる製番管理があるというのが実状かもしれません。

 製番管理は全てのモノや情報が製番にヒモづいているので、現場はわかりやすいのですが、例えば設計や製造の効率化を図るための標準化をする際にはネックになります。また製造のグローバル対応で海外含めた生産管理をやろうとすると大きな壁にぶつかります。海外ではERP機能をそのまま使っていて日本の製番とはあわないのです。とはいえ、日本ではこれからも製番管理が使われてゆくことは間違いありません。

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この記事の著者

石田 茂

ものづくりの基本は人づくりをモットーに、技術者の持つ力を会社の組織力につなげるための仕組みづくりの伴奏支援を行います。

ものづくりの基本は人づくりをモットーに、技術者の持つ力を会社の組織力につなげるための仕組みづくりの伴奏支援を行います。


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