整理整頓の基準 儲かるメーカー改善の急所101項(その15)

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ 整理整頓の基準

 整理整頓は、モノづくり職場においてはすべての人が知っている重要な専門用語です。しかし、同じ製造業であっても業種が違えばその基準は様々です。例えば食品と機械加工とでは材料も工程も要求品質も全く違いますから整理整頓の基準には違いがあってもおかしくないでしょう。

 それでも、「理想的な整理整頓の状態」を追求すると、そこには業種にかかわらず『共通の基準』が存在します。

 それは必要なモノが「一動作で取り出せる」状態であることです。

 ご自宅における整理整頓には、当然ですが個人差があります。ある特定の時にしか使わないモノもあれば、思い出があるので捨てられないモノもあります。部屋中に散らかすこともできないので、タンスやクローゼットにはいろいろなモノがぎっしりと詰め込まれていることも普通かもしれません。しかし、これは個人のことなので、それぞれの方の判断にお任せするものだと思います。

 工場においては、それぞれの人の感性によって整理整頓のレベルが変わるということは許されません。

 全員で「一動作」ですべてのモノが取り出せる環境づくりを目指して頂きたいと思います。

 一動作でモノを取り出すためには、例えば、棚やロッカーを設置する場合でも、自宅と違って扉やカバーは不要でしょう。扉がなければ開ける動作が不要になり一動作で取り出すことができます。自宅と工場ではキレイの基準が違うと同様に、整理整頓の状態の理想型にも違いがあるのです。そもそも不良品はあってはいけないし、要るモノだけが使い易い状態で揃っていることが重要です。

今回の言葉  

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 理想的な整理整頓された状態とは、必要なモノが一動作で取り出せる状態である。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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