【第2章 中国工場の実状を知る】
【日本工場と中国工場の違い】
前回のその25に続いて解説します。
ここでは、3M(人、設備、材料)それぞれについて、中国工場と日本工場との違いを再確認します。
【日本工場の作業者】
- ベテラン(熟練者)が多い
- ノウハウを持っている
- ベテランが教えることができる
- 一定レベルの意識、知識
【中国工場の作業者】
- 熟練者がいない、少ない
- ノウハウがない
- 教えることができるベテランがいない
- 何も知らないレベル
【日本工場、機械】
- 使いこなす
- 予防保全もできる
【中国工場、機械】
- 使いこなせない
- 予防保全は苦手
【日本工場、材料】
- 中国企業部材の品質に困っている
【中国工場、材料】
- 同じように困っている
(1)作業者
人(MAN)では作業者に着目します。
中国工場と日本工場では、作業者が持っている素養が大きく違います。日本の工場作業者は一定レベルの意識や知識を持っていますが、中国ではそうではありません。また、日本工場ではベテランの作業者が多くいて、その人たちがノウハウを持っています。中国の作業者は、まだまだそうした域に達しません。教育面では、日本でも中小企業は教育の仕組みはありませんが、ベテランが若手に教えることでそれをカバーしています。
(2)設備・機械
日本と同じ機械を持っていても使いこなすスキルがまだまだ中国は不十分です。日本は機械を買ったら自社で使い易いようにカスタマイズすることをしますが、中国はそのノウハウがありません。買ったまま使っていますし、場合によっては機械の性能を十分に活かしていません。設備保全の面では、中国人は予防保全が非常に苦手です。問題が...
次回は、(3)部品・材料から続けます。
【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行 筆者のご承諾により、抜粋を連載