コミュニケーションのとり方 儲かるメーカー改善の急所101項(その23)

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ コミュニケーションのとり方

 「私たちは自分が何を知らないかを知ることはできません。あれを知らないから週末に本を読んで勉強します...、といったら、もうそれが何かを知っているということになります」とは私が現場でよくいう言葉です。自分の知らないことが何かが分かると抜けがなくなるので、それができれば百人力といえますが、残念ながらできません。

 自分のことすら分からないのですから、ましてや自分以外の人が何を知らないかなどは到底分からないのです。だから「このことくらいは当然知っているだろう」といった思い込みによるミスや混乱が生じたりするのです。

 どんなモノも一人ですべて作れるものはありません。多くの人がかかわって製品となるものです。多くの別々の担当者は自分のことは誰よりも知っていますが、自分以外の人のことはほとんど知りません。そのモノについてすべてを知っている人はいないのです。

 だからこそ、コミュニケーションは「現場で現物を前にして指をさして声を出して行なう」ことが重要です。

 こうすれば同じモノを対象に議論していることは明らかですので、自分が知らないことがもしあった場合は、その場で分かるということになります。「現場・現物・現実」での動きになりますが、これを三現主義(さんげんしゅぎ)といいます。

 現場で現物の前に集まって、それぞれの人がそのモノに対する自分のかかわりを話せば、自分が知らないそのモノのことがすべて語られるので、あいまいなことがなくなって、思い違いや誤解を解決することができます。

 そしてこのような形で、現場で雑談を気楽に続けていると、驚くような意見が何気なく出てくることがあるのです。

 三現主義によるコミュニケーションは原則であると同時にアイデアを生み出す原動力なのです!私はこのテーマを絞った雑談が大好きで、しばしば意図的に皆さ...

んで雑談します。こうするといいアイデアが生まれることを知っているからです。

今回の言葉  

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 コミュニケーションは、現場で現物を前に、声を出して行なえ。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫  
 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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