今回はアナロジー発想法とシーズ発想法について2回に分けお伝えします。
1.アイデア発想法
新商品開発においては、市場における創造性の高さ、先端や最新の技術力と潜在ニーズに基づく顧客要求を必要とします。目標は創造性が高く、斬新なアイデアを求められます。
一方現場に目を向けると、なかなか良いアイデアが出ないと悩んでいる人も多く、アイデア発想となると一個人のセンスに依存し、カリスマアイデアマンを探す傾向があります。持続的に新商品開発を行う上では、常に顧客要求と創造性の高いアイデアを発想できないかと求められています。
アイデア発想法で有名なブレーンストーミングの原則は①批判厳禁②質より量を求む③他人に便乗する④自由奔放に行うと非常に簡単なルールです。この原則は、アイデア発想において制約に縛られず自由に行うことが重要です。
2.表形式発想法
アイデアの発想は自由で分かりやすいことが肝心ですが「単に発想せよ」より、手順や流れが見えるとさらに発想しやすくなります。
そのためには、
- 課題についてステップを踏んで具体化していく
- 発想のポイントを組み合わせている
ことであり、発想を見える化することで独創的なアイデアを出すことができます。
3.アナロジー発想法
上記の特徴と自由に発想できる点を考慮して、逆設定法、システムアナロジー法を組み合わせたものがアナロジー発想法です。
斬新で画期的アイデアを発想することを目標に、既存商品の現状打破を主眼に置き、既存商品の持っている常識的な機能や特徴を列挙し、それらを否定します。その否定を逆設定といい、この逆設定の際の問題点を挙げ、キーワードで改善、改革の方向を挙げます。このキーワードにある方向性は具体的に現実になっていないものなので、解決できる方法は別手段に求めます。これをアナロジー(類推、類比)といい、このアナロジーを元に新アイデアを出す方法です。
(1)アナロジー発想法の実習
アナロジー発想法の手順を示します。
- アイデア出しのテーマを決めます。
- リーダーとメンバーを決めます。人数は数人が理想です。多くいる場合はグループに分けます。
- リーダーがアナロジー発想法のシートを用意します。
- 常識:メンバーがアイデア出しをするテーマの常識的特徴や機能をシートに書きます。
- 逆設定:常識を一旦否定して逆設定をします。
- 問題点:逆設定したので、問題点が考えられます。
- キーワード:問題点をメリットにできないかキーワードを挙げます。
- アナロジー:キーワードから全く異質な分野でメリットとしている対象を挙げます。
- アイデア:アナロジーから結び付けてアイデア出しをします。
- 評価:良いと思ったアイデアに☆印を付け、人気投票します。
(2)アナロジー発想法の例
(3)アナロジー発想法の特徴
表形式で埋めていくので、アイデアになった過程が分かりやすく、常識と異な...