EU新CAFE規制とは 自動車の環境問題(その1)

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CAFE規制

 

♦ 規制オーバーは巨額な罰金

 今回から、自動車の環境問題です。第1回は新CAFE規制です。CAFE(corporate average fuel economy)とは、自動車メーカーの販売車両全体での燃費平均です。その燃費が基準値を下回らないように義務付けられています。

 EUでは2021年から、新規制基準へと移行し、炭酸ガス排出量が95g/kmとなります。EV専業のテスラを除くと唯一達成できそうなカーメーカーは、HV比率の高いトヨタといわれています。

 規制をオーバーする車を売る場合、1g/台あたり、95EUROのペナルティ支払いが必要となります。例えば、105g/kmのクルマをEU域内で、年間10万台販売するためには、10×10万台×95=9500万EUROとなり、為替レート 125円/EUROで換算して、実に120億円となります。

 実際、日経新聞の2020年9月4日朝刊によると、フォルクスワーゲンの支払額は年間45億EURO(約5600億円)、トヨタもわずかに上回り95.1g/kmですが台数が多いため、約22億円の支払いが必要と報道されてます。

 

 また、排出枠取引が認められており、規制値以下のメーカーは、その権利(クレジット)を規制をオーバーする会社に販売できるというものです。テスラはその販売で、年間数百億円の利益が出るといわれています。

 この排出枠取引は、米国カリフォルニア州CARBのZEV(Zero Emission Vehicle)規制でも認められています。

 下表は、CARB規制対応の取引事例です。ホンダがFCAから、トヨタがテスラからクレジットを購入したことが分かります。(CARBの2017 Zero Emission Vehicle Creditsにより)なお、表中、BEVとはBattery Electric Vehicleの略です。ZEV[1]とBEV、似てますが、Eの意味が異なっています。

 [1]ZEV(Zero Emission Vehicle)排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車

 

 

 私が自動車の軽量化に着目している理由はこの環境問題にあります。各社必死に...

CAFE規制

 

♦ 規制オーバーは巨額な罰金

 今回から、自動車の環境問題です。第1回は新CAFE規制です。CAFE(corporate average fuel economy)とは、自動車メーカーの販売車両全体での燃費平均です。その燃費が基準値を下回らないように義務付けられています。

 EUでは2021年から、新規制基準へと移行し、炭酸ガス排出量が95g/kmとなります。EV専業のテスラを除くと唯一達成できそうなカーメーカーは、HV比率の高いトヨタといわれています。

 規制をオーバーする車を売る場合、1g/台あたり、95EUROのペナルティ支払いが必要となります。例えば、105g/kmのクルマをEU域内で、年間10万台販売するためには、10×10万台×95=9500万EUROとなり、為替レート 125円/EUROで換算して、実に120億円となります。

 実際、日経新聞の2020年9月4日朝刊によると、フォルクスワーゲンの支払額は年間45億EURO(約5600億円)、トヨタもわずかに上回り95.1g/kmですが台数が多いため、約22億円の支払いが必要と報道されてます。

 

 また、排出枠取引が認められており、規制値以下のメーカーは、その権利(クレジット)を規制をオーバーする会社に販売できるというものです。テスラはその販売で、年間数百億円の利益が出るといわれています。

 この排出枠取引は、米国カリフォルニア州CARBのZEV(Zero Emission Vehicle)規制でも認められています。

 下表は、CARB規制対応の取引事例です。ホンダがFCAから、トヨタがテスラからクレジットを購入したことが分かります。(CARBの2017 Zero Emission Vehicle Creditsにより)なお、表中、BEVとはBattery Electric Vehicleの略です。ZEV[1]とBEV、似てますが、Eの意味が異なっています。

 [1]ZEV(Zero Emission Vehicle)排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車

 

 

 私が自動車の軽量化に着目している理由はこの環境問題にあります。各社必死に軽量化を模索しており、その大きな切り札のひとつはCFRPも含めた樹脂部品です。一方、海洋プラスチック問題では樹脂の問題が指摘されていますので、SDGsのゴールを見据えての目標設定と技術開発が重要です。

 次回は、カリフォルニア州独自の環境政策についての話題です。

 

 【出典】技術オフィスTech-T HPより、筆者のご承諾により編集して掲載

◆関連解説『環境マネジメント』

 

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この記事の著者

高原 忠良

トヨタ式の ” ち密さ ” をサムスン流の ” スピード ” で! 自動車業界 × 樹脂部品を中心に開発から製造までのコンサルティング

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