6、強いモノづくり
◆ 設計改善
現場改善はもちろん重要です。しかし現場改善をする必要がないくらい「楽に良いモノが作れる設計」をすることの方がより上位にある考え方だと思います。
ある製品を作るにあたって、組み付けが難しい部品があるので生産遅れが生じてしまった、あるいは品質不良が発生してしまったとしましょう。その問題解決のために、現場担当者が集まって知恵を出し合って、改善して何とか問題を解決するということが日本の現場ではしばしば起きます。入れやすい方法を見つけて練習したり、治具を作ったりすることでモノづくりが楽に良くなります。それは素晴らしいことです。
しかし設計を見直して、組み付けが難しかった部品を組み付けやすい形状に変更することができれば、あるいはその部品自体が要らないようにできれば、モノづくりは格段に楽になります。
多くの場合、設計者はとても忙しく、現場に行って自分が設計した部品がどのように扱われているかを確認するゆとりすらないことが多いようです。しかしそれはダメです。自分の役割として、現場の仕事をよく見て、そして場合によっては自分で作業をしてみて問題をしっかり認識してください。そして楽に組み立てられるようにする、さらに可能なら無しで済むようにするといった設計変更にチャレンジしてください。
現場では何年にもわたって繰り返し生産をするのですから、簡単に組み付けられるはずの部品を苦労して組み付けたり、なくても済む部品を組み付けたりするムダは計り知れません。
生産の現場では「この部品の設計変更依頼は昔から出し続けているのですが…」といった声もよく聞きます。社長を筆頭に製造はもちろん、設計や技術、調達などかかわりのある皆さんで、設計変更に...
今回の言葉
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設計改善は、現場改善に100倍優る。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫