使わないモノを捨てる理由 儲かるメーカー改善の急所101項(その82)

 

6、強いモノづくり

◆ モノを捨てるメリット

 「モノであふれている工場は総じて業績が悪い」、というのが30年間におよぶ私のコンサルタント経験からくる結論です。
 生産に必要なスペースを減らし、多くの人はモノを探すことに時間をかけて、作業効率を悪くしているからです。そもそも、使わないモノとは、お金がモノになって寝ていることを意味しているのですから、経営効率も悪いです。
 使わないモノは徹底して捨てて、置き場をなくしていただきます。置き場がなければムダな買い方はなくなり、考えて買うようになります。清掃性も高まり、掃除も楽になります。資材も工具も探さすことなく、すぐ分かるようになります。
 そして、モノを捨てて整理整頓をすれば空間が生み出せます。生み出された大きな空間を実際に目で見ると、自然とアイデアが生まれます。
 スペースが足りないので外注していた製品の内製化や、場所がないからと諦めていた新規事業への挑戦などができるようになります。モノを捨てるメリットに気づいた企業は、必ず業績が向上するのです。

 私はこの捨てる作業を、社長や役員はじめ、一般従業員(製造、営業、設計、技術、調達、管理)やパートタイマー、外国人もみんなに入ってもらい、皆で実行します。一つひとつのモノに対してこれだけのメンバーで臨んでみると、それぞれの人から、その人ならではの具体的な意見が出て、なるほどと思う改善のアイデアが出てきます。
 いつもはせいぜい部門単位での活動ですので、工数が足りず、すべてはできないし決められない、ということになりますが、このような多様性のある仕事すべてをカバーしたメンバーが集まると、素晴らしいアイデアと実行力が生まれるのです。そして社長がいますから、その場で即断即決が可能です。

 場所を空けて、たくさんの改善アイデアを出し、皆で、即、実行しましょう!

 

 次回から「7、これからのモノづくり経...

営」を解説します。

今回の言葉   

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 モノを捨てるとチエが出る。空間をつくるとアイデアが生まれる。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

 日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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