今回は技術を顧客にできることに変換して、新しい製品を生み出す考え方を解説します。商品企画七つ道具では顧客起点に基づいた商品企画を行います。顧客が何がしたいか、何ができるかに焦点を当てて、確実に顧客要求を実現して行きます。
1.「もの視点」とは
もの視点は、商品自体の性能、機能、スペック、商品そのものを表します。
◆「もの」の視点の例:「もの」視点:単に「もの」から
・カメラ
・冷蔵庫
・掃除機
・フライパン
・トースター
2.「こと視点」とは
こと視点は、商品によって顧客にとって何ができるか、どんなことが達成できるかに焦点を当てます。
つまり「こと」では顧客起点に基づいた視点が必要です。顧客が何がしたいか、何ができるかに焦点を当てて、確実に顧客要求を実現して行く目標があります。
◆「こと」の視点の例:「こと」視点:○○ができるに変換できます。
カメラの変換
・運動会で走っているお子さんの写真がブレなく撮れます
冷蔵庫の変換
・マグロの刺身が急速に冷凍することができます
掃除機の変換
・ペットの絡んだ毛髪をきれいにできます
フライパンの変換
・お肉を外は焼き中はジューシーに焼くことができます
トースターの変換
・クロワッサンをしっとり焼くことができます
3.もの視点からことの視点への変換とは
次に、具体的に冷蔵庫メーカーが技術の強みから、「冷やす、温める」ことからできることを徹底的に出してみます。
・空気を冷やす、温める
・空気をスポットで冷やす
から具体的に「こと」視点で変換します。
具体策
・熱中症対策のため、室温が30℃になったら自動でエアコンが作動します。
・部屋に一人しか居ない場合、人が居るところだけを冷やす。
・炎天下の自動車内は猛烈に暑いので、スマートキーを持った運転者が近...
・部屋の冷暖、湿度管理だけでなく、感染症対策の換気もできる。
このような変換を行えば、もの視点からことの視点ができます。技術を強みにして、要求、要望に変えていくとよいでしょう。
具体策の顧客要望との適合性は、商品企画七つ道具のアンケート調査、ポジショニング分析を活用すると、顧客要望とその方向性が確認できます。