◆ 商品企画七つ道具
前回の商品企画七つ道具を活用するためのソフトウェアとはに続いて、解説します。今回は、専門誌や専門家の評価が高い商品、専門家に評価されているのになぜ売れないのかについて解説します。
商品名やテーマは挙げられないのですが、専門誌や専門家の評価が高い商品で耐久消費財、価格帯は高め、市場は成熟しているものでした。
【開発担当者の悩み】
- 使用ユーザーのニーズを活かした商品化を行ったのになぜ売れないのか
- 他社に比べ新しい機能を追加したのになぜ売れないのか
- この商品の専門誌から高い評価を得たのになぜ売れないのか
- 専門家からも高い評価を得られたのになぜ売れないのか
- 新しい市場を開拓する上では一定の評価を得たのになぜ売れないのか
- 社内の評価は良く、上市もうまく行ったのになぜ売れないのか
【開発商品の使用テスト】
私はその商品を借りて使ってみました。最初は全く使えません、この商品の旧機種を使っている人に聞いて教えてもらうとやっと使えました。使えても、他社の方が使いやすく、私は対象ユーザーではないと思いました。しかしこの商品を使っている人から伺うと、機能が追加され、良くなり買い替えようかな。と言っています。
この両者の違いが売れない原因を作っています。問題となっている商品の所感は、次のようです。
- 非常に狭いマニアユーザー向け
- 新しい機能も狭いマニアユーザーが好むもの
- 先行する商品があり、この商品の二番煎じ
- 専門家は顧客ニーズを代弁しているわけではありません
【商品企画七つ道具を活用する有効性】
- 商品とその顧客に焦点を当てて、商品の不満や要望を探ります
- マニアの商品評価とその周辺顧客の不満や要望の違いを探ります
- これらを踏まえて、商品評価の定量化をします
- 新機能や追加機能の具体的仕様を定量的に調査をします
この商品の問題を支援する上で以下の流れで実査を行いました。
【商品企画七つ道具手法の活用】
- インタビュー調査
- アンケート調査
- ポジショニング分析
- コンジョイント分析
【調査対象者の設定】
- マニアユーザーとマニアから少し異なるユーザー
- 対象の考え方、価値観を確認する
- 市場を広げるためにはマニアから万人向けへ変える
【実機を使ったインタビュー調査】
- 評価の良い層、悪い層の実態
- マニアの評価
アンケートでは、インターネットアンケートを活用し、ユーザーの拡大のため評価層を広げ、評価の悪い層から期待した機能の評価、使いやすさの評価をアンケート調査。
【ポジショニング分析】
- この商品の当たり前機能
- この商品の追加機能
- 他社の追加機能
- 機能の評価
【コンジョイント分析】
- 当たり前機能の評価と使いやすさ
- 追加機能評価と使いやすさ
【分析結果】
- マニアユーザー、ややマニアユーザー...