技術者倫理、倫理綱領は知っているが、何となく腑に落ちないというあなたに、技術者倫理の考え方とその必要性を解説します。
技術者倫理を検索してダウンロードして、知識として持っているだけでは不十分で、自ら考え、考え続け、行動規範として技術倫理、規範の意識を持ち続けることが研究者・専門家・エンジニアとして重要です。
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1.技術者倫理とは
技術者倫理は、現代技術があまねく社会実験であるとの前提で、被験者の人権をどのように守るかを考えた倫理です。説明責任と公益の確保から構成されています。
【説明責任】
これは社会実験の被験に対して説明をして納得を得たうえで実施するということです。これは技術の導入時のみではなく、製品で問題を起こした場合には、それについての説明責任が求められることになります。国際規格においては、技術者倫理の概念が基本哲学として用いられており、この概念の上に規格が制定されています。
【公益の確保】
これは、技術によって社会の利益を損なうことが無いように対応することです。つまり、人を死亡や負傷させる事故が起きたり、経済的損失を生じたり、環境を破壊したりしないようにすることです。
【安全文化に向けた体制構築】
「報告の徹底」と「安全を第一義とした柔軟な対応の徹底」のために、安全文化に向けた体制構築が必要です。まず、「報告の徹底」のために安全上の問題をエスカレーションするルートを作成する必要があります。このルートは安全上...