モデルベース開発とは

更新日

投稿日

モデルベース開発

 

組込みシステムは、通信・安全制御・医療・ロボット・自動車・産業機器・家庭用電化製品まで、幅広く利用されています。特に自動車では電子部品が多用されていて組込みシステムの塊ともいえます。このように組込みシステムは、電子機器の根幹技術です。開発ライフサイクルが短くなる一方、開発コストの増大は組込みシステムの開発規模に比例して増加し、開発コストの増大に繋がります。

 

この組込みシステム開発では、モデルベース開発が注目され、車載システム開発では一般的です。動く仕様書となるモデルを作成して、それをベースにシミュレーション機能を活用して開発期間の短縮と、ソフトウェアの品質を向上させる開発手法がモデルベース開発です。今後、先進分野(医療機器開発・ロボット開発)などでの活用に注目です。

このような背景を踏まえて、今回は、モデルベース開発の概要を解説します。

◆関連解説『生産工学とは』

 

1.モデルベース開発とは

 

モデルベース開発は、組込みシステム開発で注目されました。設計工程で作成するモデル(コンピューター上)元に、シミュレーションにより開発を進めていく手法です。

 

モデルとは対象の抽象表現で、開発に必要な部分を切り出して専用ソフトを用いて記述します。これが物理システムを再現(コンピューター上)した仕様書となりシミュレーションを行う基となります。

 

このモデルを利用して、実機製作を減らし、設計でシミュレーションを行うことが可能になります。結果、製作費用低減、品質向上につながります。一方、モデル、データの再利用とブラッシュアップにより、次の開発へ改善を引き継いでいく役割も実現出来ます。

 

2.モデルベース開発の特徴

 

車載システムを中心に広がってきた開発手法のモデルベース開発ですが、組込みシステムが複雑化・巨大化するに従ってコンピューター上のモデルを使い、シミュレーションを使った開発を行い、従来手法よりも、開発期間短縮、品質向上などのメリットが得られます。自動車産業、医療機器、ロボット、エネルギー関連産業などソフトウェアによる機構制御を行う分野に幅広く応用が可能で、活用が進んでいます。

 

3.モデルベース開発のメリット

 

モデルベース開発は、実機ではなくモデルを使って開発を進めますので、専用ソフトウェアを用いて作られるモデルでは、対象システムのコードの自動生成、バーチャルなシミュレーションなど、従来型の開発プロセスでは得られないモデルベース開発のメリットがあります。

 

4.机上で網羅的に検証を行えるモデルベース開発

 

モデルベース開発では、これまで試作機で検証していた内容をモデルを使ってシミュレーションを行えます。実機では環境・条件をそろえるのに手間がかかる検証も即座に実行できます。

 

エンジンと制御装置を検証する例では、温度による動作変化を検証するための環境を用意して、一回エンジンをかければ、エンジン自体の熱で温度が上がるため、再検証はエンジン温度が下がるまで待たなければなりません。モデルによるシミュレーションではソフトウェアで個別に条件を変えた検証が何度でもできます。準備や待ち時間が不要で、工数と時間を大きく削減できます。

 

これらは企画・設計の段階においてのシミュレーションですが、作成前にシミュレーションを行うので、後期の開発期間における手戻りを防ぐ効果があります。これは全体の効率アップ、品質向上に繋がります。

 

モデルベース開発で使用するソフトウェアは、モデルからコードの自動生成が可能で、ACG(Automatic Code Generation)と呼ばれ、モデルベース開発の開発工程として定義されています。人手によるプログラミングを削減できるため、ミスの発生、工数削減できるメリットがあり机上で網羅的に検証を行えるモデルベース開発の独壇場です。

 

5.モデルベース開発なしには成立しない分野

...

モデルベース開発

 

組込みシステムは、通信・安全制御・医療・ロボット・自動車・産業機器・家庭用電化製品まで、幅広く利用されています。特に自動車では電子部品が多用されていて組込みシステムの塊ともいえます。このように組込みシステムは、電子機器の根幹技術です。開発ライフサイクルが短くなる一方、開発コストの増大は組込みシステムの開発規模に比例して増加し、開発コストの増大に繋がります。

 

この組込みシステム開発では、モデルベース開発が注目され、車載システム開発では一般的です。動く仕様書となるモデルを作成して、それをベースにシミュレーション機能を活用して開発期間の短縮と、ソフトウェアの品質を向上させる開発手法がモデルベース開発です。今後、先進分野(医療機器開発・ロボット開発)などでの活用に注目です。

このような背景を踏まえて、今回は、モデルベース開発の概要を解説します。

◆関連解説『生産工学とは』

 

1.モデルベース開発とは

 

モデルベース開発は、組込みシステム開発で注目されました。設計工程で作成するモデル(コンピューター上)元に、シミュレーションにより開発を進めていく手法です。

 

モデルとは対象の抽象表現で、開発に必要な部分を切り出して専用ソフトを用いて記述します。これが物理システムを再現(コンピューター上)した仕様書となりシミュレーションを行う基となります。

 

このモデルを利用して、実機製作を減らし、設計でシミュレーションを行うことが可能になります。結果、製作費用低減、品質向上につながります。一方、モデル、データの再利用とブラッシュアップにより、次の開発へ改善を引き継いでいく役割も実現出来ます。

 

2.モデルベース開発の特徴

 

車載システムを中心に広がってきた開発手法のモデルベース開発ですが、組込みシステムが複雑化・巨大化するに従ってコンピューター上のモデルを使い、シミュレーションを使った開発を行い、従来手法よりも、開発期間短縮、品質向上などのメリットが得られます。自動車産業、医療機器、ロボット、エネルギー関連産業などソフトウェアによる機構制御を行う分野に幅広く応用が可能で、活用が進んでいます。

 

3.モデルベース開発のメリット

 

モデルベース開発は、実機ではなくモデルを使って開発を進めますので、専用ソフトウェアを用いて作られるモデルでは、対象システムのコードの自動生成、バーチャルなシミュレーションなど、従来型の開発プロセスでは得られないモデルベース開発のメリットがあります。

 

4.机上で網羅的に検証を行えるモデルベース開発

 

モデルベース開発では、これまで試作機で検証していた内容をモデルを使ってシミュレーションを行えます。実機では環境・条件をそろえるのに手間がかかる検証も即座に実行できます。

 

エンジンと制御装置を検証する例では、温度による動作変化を検証するための環境を用意して、一回エンジンをかければ、エンジン自体の熱で温度が上がるため、再検証はエンジン温度が下がるまで待たなければなりません。モデルによるシミュレーションではソフトウェアで個別に条件を変えた検証が何度でもできます。準備や待ち時間が不要で、工数と時間を大きく削減できます。

 

これらは企画・設計の段階においてのシミュレーションですが、作成前にシミュレーションを行うので、後期の開発期間における手戻りを防ぐ効果があります。これは全体の効率アップ、品質向上に繋がります。

 

モデルベース開発で使用するソフトウェアは、モデルからコードの自動生成が可能で、ACG(Automatic Code Generation)と呼ばれ、モデルベース開発の開発工程として定義されています。人手によるプログラミングを削減できるため、ミスの発生、工数削減できるメリットがあり机上で網羅的に検証を行えるモデルベース開発の独壇場です。

 

5.モデルベース開発なしには成立しない分野

 

組込みシステム開発の大規模、複雑化は増大していて、実機試作ベースの開発プロセスでは対応できないプロジェクトが増大しています。航空・自動車産業では、モデルベース開発で開発の効率化を目指すのではなく、モデルベースでないと開発できない状況にあります。短時間で低コストの開発が求められる現在では、この流れはモノづくりを行う産業全体に波及します。

 

モデルベース開発を全面的に導入すると、機材購入や組織体制の変更をともないますが、一部をモデルベース開発に置き換えるだけでもメリットを得られます。実績を持つベンダーなどと協力して自社で導入できる部分がないか検討することで、今後の開発プロセス効率化の端緒となる可能性があるでしょう。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

大岡 明

改善技術(トヨタ生産方式(TPS)/IE)とIT,先端技術(IoT,IoH,xR,AI)の現場活用を現場実践指導、社内研修で支援しています。

改善技術(トヨタ生産方式(TPS)/IE)とIT,先端技術(IoT,IoH,xR,AI)の現場活用を現場実践指導、社内研修で支援しています。


「生産工学」の他のキーワード解説記事

もっと見る
不確かさの具体的な計算方法とは 計測の精度と不確かさとは(その5)

       【目次】 【この連載の前回:計測の精度と不確かさとは(その4)不確かさの定義...

       【目次】 【この連載の前回:計測の精度と不確かさとは(その4)不確かさの定義...


メーカーへの提案依頼書作成 ロボットシステム構築の流れとは(その2)

   今回はその1に続き、自社工場にロボットシステムを導入し、稼働することを前提とした同システム構築の流れを解説します。 【ロボットSIer...

   今回はその1に続き、自社工場にロボットシステムを導入し、稼働することを前提とした同システム構築の流れを解説します。 【ロボットSIer...


論より知恵、知恵は図面へ メカトロ設計(その2)

【連載目次】 1. メカトロ設計(その1) 一寸先で擦り合わせ 2. メカトロ設計(その2) 論より知恵、知恵は図面へ ...

【連載目次】 1. メカトロ設計(その1) 一寸先で擦り合わせ 2. メカトロ設計(その2) 論より知恵、知恵は図面へ ...


「生産工学」の活用事例

もっと見る
国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   4.発泡成形の2  東洋機械金属は成形機のノズル部分に多孔質金属を用いて、超臨界二酸化炭素を導入して発泡...

 前回のその2に続いて解説します。   4.発泡成形の2  東洋機械金属は成形機のノズル部分に多孔質金属を用いて、超臨界二酸化炭素を導入して発泡...


国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その5)

 前回のその4に続いて解説します。   6. 繊維強化の1 (1) オンラインブレンド  名機製作所は射出成形機のホッパーを2基設け、ベー...

 前回のその4に続いて解説します。   6. 繊維強化の1 (1) オンラインブレンド  名機製作所は射出成形機のホッパーを2基設け、ベー...


国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その1)

  1.展示会概要  IPF(国際プラスチックフェア)は、3年に一度開催されるプラスチックの国際展示会で、IPF JAPAN 2017(IPF20...

  1.展示会概要  IPF(国際プラスチックフェア)は、3年に一度開催されるプラスチックの国際展示会で、IPF JAPAN 2017(IPF20...