国内製造業では、DR(設計審査)が実施されていますが、リコールに象徴されるように、未然防止に役立っていません。DR(設計審査)は、議論が発散して、活発な議論にならない。形式的に実施しているだけ。などの意見があります。今回は、このような背景を踏まえて、DR(設計審査)を解説します。
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1.DR(デザインレビュー:設計審査)とは
DR(デザインレビュー:設計審査)とは、企画→基本設計→原理試作→詳細設計→一次試作→量産試作といった設計のプロセスで、ポイント毎に企画、開発、設計、製造、品質、購買などの関係者が一堂に集合し、満たすべき項目をそれぞれの観点から評価し、基準を超えている事を確認してから次のステップに進む方法であり、後工程からの手戻りを防止します。
2.DR(デザインレビュー)の各段階
DRは、設計審査に使うだけでなく、設計計画を組織全体での品質をアップさせるための活動として主に行われています。
DRの「D」は「デザイン」です。企画から製品設計を経て準備やサービスに至る各ステップの計画の全容と、それを導出する業務内容を指しています。一方「R」は「レビュー」です。、振り返りや再度検討、審査を進めていくことになります。「DR」【デザインレビュー】は、各自様々な判断で行われています。種類も複数個あります。
【STEP1】審査を発注者に行ってもらう
システムや製品の発注者が仕様書を参考にして開発段階や製品設計の問題点と対策の検討を行う会議であります。このSTEPののDRは、アメリカで古くから兵器システム、航空機開発、宇宙開発のような精度が要求される高いシステムの発注者が受注者に義務付けて行なわれています。日本でも発注や受注への契約関係で適宜利用されています。
【STEP2】審査・承認を行い開発プロセスの移行を行います
最終時点での各設計開発段階をその段階で行なわれた業務計画が開発の目的に一致できているかを確認を必ず行い、承認します。次のステップに移行することを会議を行い決定します。
製品のライフサイクル(製造、設計、品質保証、営業、技術、購買など)に関係している部署のすべてが参加します。この段階のデザインレビューは管理して開発する事において重要会議となります。審査の意図が強い会議でもあります。
【STEP3】問題点を抽出する為に計画の評価を行う活動
商品企画、設計から、保守に至るまでの設計開発の途中で、専門家を区切りのよいタイミングで集まってもらい、設計計画内容を各段階の問題点を摘出する事と対策するかどうかを考える活動です。
【STEP4】非公式に部内で行う技術的検討会議
業務担当者が開発に所属する担当部門で、その時その時で不定期でに開催される検討技術会です。この段階のデザインレビューは、他段階のデザインレビューと異なり計画において表立ってに告知されず、必要な人数だけの関係者で随時行われます。
3.デザインレビューの重要ポイント
デザインレビューを行うことだけでは問題点が出ている設計の項目を発見することは非常に難しくなっています。設計上のトラブル減らしていくためには、ノウハウや経験をチーム(組織)全体に共有することが重要です。
高品質の設計を選定して早めに行い、デザインレビューに負担を発生させないような支援の体制づくりが重要です。本来であればデザインレビューで指摘を行われる前に、設計で再発を防止する方法や、防止設計で未然に発生を防ぐように、設計者自身がトラブル対する知識を的確に活用した設計プロセスを全体で構築することが最も重要です。
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