2022年3月18日、3月25日および3月29日に「業務内容の詳細で書く事とは」というテーマの記事を掲載しました。これらの中では、業務内容の詳細で書く文として「具体的な文を書く」、「能動態の文を書く」および「短い文を書く」について説明しました。
今回は、これらの中で、論文を書くときに特に重要な「短い文で解答を書く」をテーマにした記事を書きます。
【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文対策などのポイントについての記事を紹介しています。
◆一文一義に基づき短い文で解答を書く
2022年3月29日に「業務内容の詳細で書く事とは(その3)」というテーマの記事を掲載しました。この中で、短い文を書く方法の一つとして「一文一義で書く」について説明しました。一文一義とは、一文の中に1つのこと(事柄)だけを書くことです。Ⅱは、Ⅰの文を一文一義で書いたものです。
- Ⅰ.高度成長期に集中して建設された多くの橋梁やトンネルの老朽化が急速に進んでいるが、これらの構造物の多くを管理している地方自治体では、技術、資金、人材不足でこれらの老朽化対策が進んでいない。
- Ⅱ.高度成長期に集中して建設された多くの橋梁やトンネルの老朽化が急速に進んでいる。しかし、これらの構造物の多くを管理している地方自治体では、技術、資金、人材不足でこれらの老朽化対策が進んでいない。
Ⅰの文のように2つのこと(事柄)を接続助詞の“が”で結ぶと内容がぼんやり伝わるような感じがします。文を読んだとき頭の中にその内容が入ってきますがそのまま抜けていくような感じです。
Ⅱのように、一文一義に基づき短い文で書くと読んだときゴツゴツした感じがします。しかし、文の内容がしっかり頭の中に残ります。つまり、解答が明確に伝わります。
また、解答を短く考える、すなわち、一文一義の考え方に基づき解答を考えると、読み手(試験官)に伝えたいことが自分の頭の中で明確になります。このことは、ⅠとⅡを比...
一文一義に基づき短い文で解答を考え、短い文で解答を書いてください。読み手(試験官)に解答が明確に伝わる論文を書くことができます。
次回に続きます。
【参考文献】清水幾太郎著、「論文の書き方」、岩波新書(株式会社岩波書店)、1959年3月17日