見て・動いて・考える コトの大切さ

 

【この連載の前回:ポカミス の原因は「錯覚」だった!へのリンク】

◆行動変容を促す「清掃」

あなたは、清掃活動をどのように進めていますか?清掃活動と言えば、5S活動でも組み込まれ、モノをホコリ1つ無く「ピカピカ」に磨き上げる活動を展開します。

 

モノをピカピカに磨き上げるとは

状態にしておくことを指します。

 

もし、使いたいモノがホコリを被っていたり、汚れていたりでもしたら、そのモノをいったん清掃してから使うことになるため、「すぐに使える」状態ではありません。特に、設備が故障したり、緊急時には、「すぐに使える」ことが大切です。

 

だからこそ、日頃から「ピカピカ」にホコリ1つ無い状態にしておくことが大切なのです。

 

1.清掃は単なるお掃除?

この、清掃の目的を見失ってしまうと、単なるお掃除で終わってしまうため、5S活動は長続きしなくなります。あなたの職場でも、どのような時でも”すぐに”使える状態を維持するよう、清掃を継続して行うことが大切です。

 

私は、このレベルの「清掃」でも職場環境を整えるにはベストだと考えますが、人財育成という側面からすると、何かが足りないと考えています。組織内で行われる活動には、必ずその活動によって「人の行動変容」が求められます。

 

行動変容とは、「行動が変わったり、考え方が変わったりすること」を指します。「清掃活動」でも、職場環境を整えると共に行動変容を求めなければなりません。「行動変容」を促すためには、何度もなんども繰り返しインプットされる情報の大切さがあります。

 

私たちの脳には、長期記憶と短期記憶という二種類の記憶から、その思考が展開されています。長期記憶は、自分の氏名など「いつでもどこでも思い出せる」記憶です。短期記憶は、その状況やシーンの中だけで使われる記憶で、その状態から離れると忘れてしまう記憶で、ワーキングメモリーという脳の一部を使って短期記憶が実行されることが解っています。また、ワーキングメモリー内で、何度もなんども繰り返しインプットされる情報は、長期記憶に移りやすいこともわかっています。

 

例えば、あなたの職場でなんらかの「行動変容」を推し進めたいと考えるのなら、ワーキングメモリー内に、何度もなんども繰り返しながら、その変容を促す情報や経験をインプットする必要があるのです。そして、「行動変容」を促すためには、次の三つのインプットが必要になります。

 

 

この三つの情報を繰り返しインプットすることで、あなたの職場に「行動変容」が起き始めます。清掃活動は、この三つのインプットを同時に得る(与える)ことができます。

 

例えば、清掃をするときにはウエスや雑巾を持って、その対象を必ず見ながら拭き始め、その見るという行為が視覚情報を刺激します。また、清掃は体を動かすことから、体感覚情報もインプット可能となります。

 

2.新5S思考術は「人財育成」

そして、もう一つの思考情報ですが

 

 

とった「なぜ?」を考えながら清掃をすることで、思考を働かせることができます。

 

できれば、リーダーであるあなたが「今日の清掃は、○○を見つけながら清掃してみましょう。」や「今日の清掃は、○○の原因を探しながら清掃してみ...

ましょう。などのテーマを与えると良いでしょう。

 

この三つの刺激をワーキングメモリーにインプットすることで、観察力と洞察力が高まるという行動科学や心理学の実験も行われ、良い結果を得ることが解っています。

 

  • 視覚を刺激する。
  • 体を動かす。
  • 頭の中で考える。

 

新5S思考術は、行動科学や心理学を取り入れた「人財育成」です。観察力と洞察力を引き出すための、 見て・動いて・考える コトの大切さ。新5S思考術で「 見て・動いて・考える 」を実践してみませんか?

 

◆関連解説『人的資源マネジメントとは』
 

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