ちまたにはコミュニケーションに関するセミナーや書籍が数多くあります。これらには、何を( what )どのように( HOW TO )が解説され、すぐ実践できるノウハウが満載です。だからといって、実践において「 うまくいった! 」と感じることも少ないのではないでしょうか。いくらセミナーや書籍を読んでも、コミュニケーションの悩みが解消されないままモヤモヤしている。私も、そんなひとりでした。コミュニケーションの悩みを解決するには「 なぜなぜ思考 」を身に付ければ楽になります。今回は、コミュニケーションにおける「 なぜなぜ思考 」のおはなしです。
1.なぜなぜ思考 コミュニケーションの悩みの原因は?
先日、 ある打ち合わせの時「 コミュニケーションの悩み 」という話題になりました。実は多くの方が、 同じような悩みをお持ちです。ストレスがたまるばかりで、 原因を見つけてすぐにでも改善しなければなりません。そこで 「 コミュニケーションの悩みの原因は何だと思いますか? 」 という質問を自分に投げかけてみました。この質問をすると私の経験上、 次の答えが多く返ってきます。
- 耳を傾けてくれない。
- 経験不足で話しが通じない。
- そもそも話しがかみ合わない。
- 聴いてくれるけど、 理解してくれている感じがない。
- 聴いてくれるけど、 実行してくれない。
- 話したがらない。
でも、 ちょっと待ってください。 これって、 『 原因 』 でなく 『 現象 』 です。
2.原因を答えているつもりが 現象を答えている
このように 「 原因は? 」という問いに、 『 現象 』で答える方が多いのです。『 原因 』に気付き、 改善しなければ、 『 現象 』は何度でも繰り返します。
例えばのケースでお話をすると ・・・・・
- Q:配送した製品に傷がついた原因は ?
- A:製品を下ろすときに乱暴に扱ったからです。
- Q:じゃ、 対策は ?
- A:乱暴に扱わないように作業手順書を改訂します。
この対策で再発防止になっているでしょうか?これでは、 残念ながら「 なぜなぜ思考 」では不合格です。
「 なぜ乱暴に扱わなければならなかったのか? 」 というさらに深く掘り下げなければ 「 合格 」 とななりません。そして、 現場にへ行き、 作業を観察しながら 『 なぜ? 』 の答えを探さなければなりません。
このケースの場合では、 以下の原因が考えられます。
- 製品が持ちにくかったらから。
- 手が滑ったから。
- 製品が重かったから。
- 置き場所が遠かったから。
などなど、 いくらでも 「 乱暴に扱う」 理由が見つかるはずです。この現象を捉えられると
- 製品が持ちにくい → 持ちやすいように改善する。
- 手が滑る → 滑りにくい作業手袋に改善する。
- 重たい → リフターなどを使う。
- 置きにくい → 置きやすい位置に移動する。
などの対策が見えてきます。 つまり『 現象 』を語っている状態では、 改善にストップをかけているのと同じなのです。
3.コミュニケーションの悩みの原因は自分のスタイルを知らないこと
コミュニケーションの悩みでも、 相手の反応を 『 現象 』として捉え、 改善にストップをかけているケースが少なくありません。原因は、 自分のコミュニケーションスタイルに隠れていることが多いのですが、 「 自分自身の話し方・説明の仕方 」 に目を向ける方はごく一部なのです。
特にコミュニケーション系のモヤモヤの場合
- 「 あなたは、 あなたの言葉で話している。 」
- 「 相手には、 相手の理解しやすい話し方がある。 」
この2つを忘れないようにしてください。
人の脳は 「 話し方のパターン 」 を持ってい...
コミュニケーションでも、 「 なぜなぜ思考 」 を使い 『 現象 』 で止めることなく 『 原因 』 を追及しながら、 ストレスフリーな改善を進めたいものです。
what ( 何を ) と HOW TO ( どのようにやるか ) だけでは対処的療法で終わります。根本的療法を行うにはwhy ( なぜなぜ 思考 )が必要なのです。