コーチングの活用とは:物流管理者の育て方(その5)

投稿日

SCM

 

◆ コーチングの活用

前回、解説しましたが、コーチングのスキルの一つ目は「聞く」スキル。二つ目のスキルは「質問」でした。今回は、スキルの三つ目、「ペーシング」から解説を続けます。

 

「ペーシング」の目的は、相手の防衛本能を緩め、信頼関係を築くということにあります。会話をする中で、相槌を打つことがありますよね。これが結構重要なのです。「なるほど!」「ヘー、そうなの」といったように相槌を打ってもらえると、会話もスムーズになります。その他に、視線や表情などもペーシングに含まれます。

 

四つ目のスキルは「アクノリッジメント」です。「あなたがそこにいるということを気づいていますよ」ということを知らせることです。アクノリッジメントの典型は、名前を呼ぶ、こちらから挨拶をする、声をかけるなどです。他に教えてもらうとか、相談するなどがあります。

 

いかがでしょうか。四つのスキルは割と当たり前のようなことだと感じられたのではないでしょうか。しかしこのコーチング研修が大きなビジネスとなっているということは、当たり前のことができている会社が少ないということなのでしょう。

 

パワーハラスメントがなかなか無くなりませんが、ほとんどの要因は管理者サイドにありそうです。まず部下との接し方を学び、パワハラと指摘されないようにしていきたいものです。物流管理者はこのコーチング手法を使って、メンバーとコミュニケーションを取ることを考えていきましょう。

 

最初は盛り上がっても、だんだんとコミュニケーションが少なくなってしまうことが考えられます。そこで、物流管理者には手帳を配布し、各メンバーに何回声をかけたかのデータを取ってもらいましょう。このデータを取ると、意外とメンバーによって偏りがあることがわかります。声をかけやすい人と、そうでない人がいるのです。これを補正することもデータがあればこそです。

 

スポーツでもコーチ次第で大きく成績を伸ばす人とそう...

SCM

 

◆ コーチングの活用

前回、解説しましたが、コーチングのスキルの一つ目は「聞く」スキル。二つ目のスキルは「質問」でした。今回は、スキルの三つ目、「ペーシング」から解説を続けます。

 

「ペーシング」の目的は、相手の防衛本能を緩め、信頼関係を築くということにあります。会話をする中で、相槌を打つことがありますよね。これが結構重要なのです。「なるほど!」「ヘー、そうなの」といったように相槌を打ってもらえると、会話もスムーズになります。その他に、視線や表情などもペーシングに含まれます。

 

四つ目のスキルは「アクノリッジメント」です。「あなたがそこにいるということを気づいていますよ」ということを知らせることです。アクノリッジメントの典型は、名前を呼ぶ、こちらから挨拶をする、声をかけるなどです。他に教えてもらうとか、相談するなどがあります。

 

いかがでしょうか。四つのスキルは割と当たり前のようなことだと感じられたのではないでしょうか。しかしこのコーチング研修が大きなビジネスとなっているということは、当たり前のことができている会社が少ないということなのでしょう。

 

パワーハラスメントがなかなか無くなりませんが、ほとんどの要因は管理者サイドにありそうです。まず部下との接し方を学び、パワハラと指摘されないようにしていきたいものです。物流管理者はこのコーチング手法を使って、メンバーとコミュニケーションを取ることを考えていきましょう。

 

最初は盛り上がっても、だんだんとコミュニケーションが少なくなってしまうことが考えられます。そこで、物流管理者には手帳を配布し、各メンバーに何回声をかけたかのデータを取ってもらいましょう。このデータを取ると、意外とメンバーによって偏りがあることがわかります。声をかけやすい人と、そうでない人がいるのです。これを補正することもデータがあればこそです。

 

スポーツでもコーチ次第で大きく成績を伸ばす人とそうでない人がいることがわかります。スポーツはテレビでも見る機会が多いでしょうから、学ぶべきコーチを定めて、その人の手法をまねるようにしていくことも効果的だと思います。

 

物流管理者の役割に「部下の評価」があります。実際に今でも評価を行っていると思いますが、適切にできていますでしょうか。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCMで優位に立つ

1.「つなぎ」としてのSCMが必要とされる理由   時間の進みが早くなるとどのようなことが起きるでしょうか? ゆっくり役割分担を決めて回すよう...

1.「つなぎ」としてのSCMが必要とされる理由   時間の進みが早くなるとどのようなことが起きるでしょうか? ゆっくり役割分担を決めて回すよう...


ROA(対在庫資産運営利益率)によるキャッシュフロー経営

 サプライチェーンの立場から言えば、どんな時代でもモノの流通が人間の生活に必要なのは普遍であり、必要とされる需要が減少することはあっても、ある規模の生産量...

 サプライチェーンの立場から言えば、どんな時代でもモノの流通が人間の生活に必要なのは普遍であり、必要とされる需要が減少することはあっても、ある規模の生産量...


サプライチェーンのリードタイム別ビジネスモデル

 モノの流れを扱うサプライチェーンにおいて、鉄鋼業のような付加価値の高い素材型産業、自動車のような総合組立型機械産業、複写機やコンピュータのような電器セッ...

 モノの流れを扱うサプライチェーンにおいて、鉄鋼業のような付加価値の高い素材型産業、自動車のような総合組立型機械産業、複写機やコンピュータのような電器セッ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  物流を意識しないロス:会社で物流を意識するということ(その3)

  ◆設計や製造も物流を意識する 物流費は製品の形状にも大きく左右されます。製品にちょっとした突起がついているだけで、物流コストは大きく...

  ◆設計や製造も物流を意識する 物流費は製品の形状にも大きく左右されます。製品にちょっとした突起がついているだけで、物流コストは大きく...


労働生産性 物流労務費改善への取り組み(その1)

  ◆ 自動車組立ラインに学ぶ  前々回のシリーズ、物流業としての原価低減の取り組みでは「原価低減」のお話をさせていただきました。物流費...

  ◆ 自動車組立ラインに学ぶ  前々回のシリーズ、物流業としての原価低減の取り組みでは「原価低減」のお話をさせていただきました。物流費...


サプライチェーンを俯瞰する必要性 効果的な物流人財育成(その1)

        物流事業者を除き、物流ノウハウを持った人財を育成しようという会社は多くありません。メーカーでも小売りでも卸売でも同様です。   ...

        物流事業者を除き、物流ノウハウを持った人財を育成しようという会社は多くありません。メーカーでも小売りでも卸売でも同様です。   ...