社内コーチングや1on1ミーティングで、説明や説得を繰り返し、部下や後輩の意識や行動変容を期待しても、なかなか期待通りに進まない・・・・リーダーなら、一度や二度の経験ではないはずです。今回は、信頼関係を作り上げ、楽しくストレスフリーな対話がスムーズに進む相手自身が思考の偏りに気付く説明 / 説得術 !です。
思考の偏り ~あなたはどちらのタイプ?で「人の思考の偏り」を『目的思考型』と『問題回避型』というタイプで説明しました。これは、人それぞれがもつ『脳内プログラム』のタイプで、上記を含め、約150個も発見されています。
この膨大なプログラムを全て理解し、相手のパターンを特定するスキルを身につければ相手の思考パターンに合わせて対話を進めることができるので、最強の説得力と説明力を備えることができます。しかし現実的に可能かどうかというと研究者でも無い限り、これを学んだとしても意味がありません。そこで、これらの知識体系を実用的にしたLABプロファイル®が登場です。
日常的に使われる主パターンを14個に特定し、だれもが学びやすく実践しやすい内容で、「思考の偏りを和らげるコーチング」にも使うことができます。
1.思考バイアス~考え方の偏り~
『目的思考型』と『問題回避型』を比較すると、2つのタイプの違いは油と水のような関係です。
カンタンにいうと『ひたすらゴールを目指す』タイプと『ゴールに至るまでの問題を、あらかじめ回避をする』タイプの違いです。人は一般的に、どちらかのパターンに偏った思考をしています。これを思考バイアスとよびます。
2.バランス化を促す4つのステップ
人それぞれにバイアスを持っていますが、バランスの取れた両思考を持つことが理想です。コーチングでは、対話を通じてバランス化を目指しますが、どのように進めるのでしょうか?
それは、4つにステップを分け進めます。
- 相手の思考を受け入れる
- 質問をする
- 認知的不協和
- 自ら答えをだしバランスをとる
3.説明/ 説得術 で、相手の思考を受け入れる
人は自分の思考を受け入れられたと感じることで、対話に参加します。
もし、逆のことが起きると『心理的反作用』が起きてしまいます。つまり対話に参加したがらないという行動をしてしまいます。まずは反作用を小さくするよう説明・説得を始めます。もしも相手が『目的志向型』だとしたら、目的を達成することに軸を置いた対話を進めなければなりません。
最初から問題回避やリスクの洗い出しなどから話を始めてしまうと、相手の思考パターンと異なる対話を提供することになり、相手からすると強引に押しつけられていると感じられます。
これでは、反作用爆裂状態です。まずは、相手の思考パターンに合わせた対話から始めましょう。
4.質問する
相手が対話にのってラポールが形成されてきたら、いくつかの選択肢をもった質問をします。
この質問は、決定権が相手側にあるので「自分で決める」という意識が働きます。そう、「強制」でなく「自分で決められる自由さ」がポイントです。そして、この意識がさらなる対話への参加を促すきっかけとなります。
もしも相手が『問題回避型』だった場合「この課題に取りかかるにあたって、様々な問題があると思うのでその洗い出しから始めましょう。」このように相手の思考パターンに合わせる対話をしたあとに「ところで、今回のミッションの目的は理解していますよね?これについて話していただけますか?」と、軽く『目的思考型』へと切り替えます。
そして、相手が目的について話し終えたら「じゃ、問題の洗い出しに入りましょう。」といった感じで『問題回避型』へと戻します。
5.認知的不協和
なぜ異なる思考パターンを相手に語らせるのかというと、ある心理テクニックを用いるためなのです。「認知的不協和」というテクニックです。これは「人は自分の言葉で話したことに対して責任を感じる。」という心理効果で、後に続く対話に影響を及ぼすのです。
6.自ら答えを出しバランスをとる
対話が進むにつれて、相手の『問題回避思考』への偏りが強くなってきたとき「本来の目的は...