エラーの検知 ヒューマンエラーの原因と対策(その5)

 

【目次】

    【この連載の前回:ヒューマンエラーの原因と対策(その4)はこちら】

     

    1.ヒューマンエラー対策の具体例<エラーの検知>

    「エラーの検知」では、ヒューマンエラーは発生するものという前提に立って、発生したヒューマンエラーをいかに早く検知するか、そして次工程や市場への流出をいかに防いでいくかという観点で対策を行います。

     

    ①部品の定数供給

    梱包工程などでは、付属品の入れ忘れなどのヒューマンエラーが発生しますが、セットする付属品を10個、20個などの単位で供給し、10台分の梱包が終った時点で付属品が余っていないことを確認することでセットミスを防ぐことができます。同様に、組立工程でも部品を定数供給することで部品の取り付け忘れを防ぐことができます。

     

    ②部品のセット供給

    組付け部品の数が多い場合には、部品をつけ忘れる可能性が高くなりますので、1台分の部品をセットにして工程に供給する方法もあります。組み立て終った時に部品が残っていないことを確認することで、部品の取り付け忘れを防ぐことができます。

     

    ③チェックシート

    作業の抜け漏れ防止には、チェックシートが役立ちます。作業をひとつ行ったらチェックシートに記録する、を繰り返すことで確実な作業が期待できます。ただし、チェックシートを導入した場合でも、まとめて作業してまとめてチェックするという方法では効果がありませんので注意してください。

     

    ④重量による検査

    良品の重量基準を設定して、これに外れるものを不良品をして識別します。梱包工程の後の検査で、付属品の欠品チェックに使われることも多いですが、微妙な重量差(湿気による重量増、シールやラベルなどの軽量のもの)の検出には向きません。

     

    正常の範囲を設定して、OKの場合にピッと音で知らせる重量チェッカーもありますが、定期的にチェッカーの設定が正しいことを確認することが必要です。また、アナログ式の針で測る秤であれば、正常範囲にマークを付けておき、一目で判断できるようにするのが良いでしょう。

     

    ベルトコンベアを使った自動化ラインでは、重量センサーとエアシリンダー(軽量の製品にはエアノズル)、シューターを組み合わせて、不良品...

    を自動で排除する仕組みも構築できます。

     

    ⑤治具による検査

    寸法や形状の確認には、作業者がメジャーで測ったり目視で確認するよりも治具を利用するのが効果的です。穴あけの工程では、ピンを立てた治具に加工後の部品を置くだけで、定められた数の穴が開いているかを確認することができます。また、加工後の寸法や形状の確認にも治具を利用すれば、作業者がいちいち測定する手間を減らすことができますし、ヒューマンエラーの防止にもつながります。

     

    ⑥カウンターやセンサーの利用

    繰り返し動作には、カウンターを利用することで作業漏れを防止することができます。また、センサーを利用することで重量や寸法、形状の確認をすることができます。センサーは、加工機械やベルトコンベアー、シューターと組み合わせて利用すると効果的です。

     

    次回に続きます。

     

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