【この連載の前回:改善を円滑に進めるための「 3つの柱 」へのリンク】
1.本当に目の前のモノが見えていますか?
私たちは、「モノ」を見る場合、目から入ってきた光を電気信号に変換し、脳に伝えます。そして、脳内では様々な化学物質が伝達物質となり、脳内に映像を作りあげています。これが、私たちが「モノを見る」という活動の原理です。
つまり、私たちが見ている「モノ」とは、あなたの脳内で作りあげられた「映像」なのです。また、その映像は、過去の経験に大きく左右されたり、あなたの価値観や信念にも大きく左右され、見えているはずのモノが「映像化」されなかったり、実際には存在しない「モノ」が映像化され”見えてしまう”こともよくあります。
一般的には、「錯覚」と言われる現象で、私が担当する「新5S思考術」セミナーでも、受講者の方々に体験をしていただいています。
2.職場環境の作り方で、 ポカミス をより少なくする
特に、この「錯覚」は、仕事中に起きてしまうと ポカミス に繋がることからも注意をしなければなりません。
例えば、「錯覚」が起きたために
- 不良品を良品として出荷してしまった
- 大丈夫と思っていても、頭を配管にぶつけた
- 確認したと思っても、計算ミスが起きた
- 送ったと思っていた書類が、机の上に置きっぱなしだった
などなど、「ちょいと見逃すことのできない。」 ポカミス の原因に「錯覚」はなり得るのです。「錯覚」が起きない様、あなたがすべきこととはいったい何なのでしょうか?
3.ポカミス を誘発する「錯覚」
職場で、 ポカミス を誘発する「錯覚」の起きやすさは、その職場の環境に左右されます。
その要因として、次のようなことが上げられます。
- モノの多さ、少なさ
- 光の当て方、あたり方
- 複雑な動作の有無
そして、スグにでも手が付けられる改善が『モノの多さ・少なさ』です。もし、すぐにでも ポカミス 対策をしたいのなら、職場の「整理・清掃・整頓」を実施すべきです。これは、目の動きに関連するのですが、簡単に言うと「モノが多ければ多いほど目の動きが複雑になり、錯覚を起こしやすくなる。」といった原理があるからです。
仕事をしている最中に「今すぐに使うモノ」と「今は直ぐに使わないモノ」に別けてみましょう。そして、直ぐに使わないモノは、片付けるようにします。すると、作...