問題解決は、取り組むテーマ・課題を設定する「課題発見フェーズ」と、その課題に取り組む「課題解決フェーズ」に分かれます。そこでどのようにデータを絡ませるか?データの絡ませ方には4つのパターンがあります。今回は「データによる課題発見と課題解決」というお話しをします。
【目次】
1. 4つのパターン
(1)パターン1:課題発見でデータを使う
(2)パターン2:課題解決でデータを使う
(3)パターン3:課題発見と課題解決の両方でデータを使う
(4)パターン4:課題発見と課題解決のどちらでもデータを使わない
【この連載の前回:データ分析講座(その246)データから根本原因を考えるフレームワークへのリンク】
1. 4つのパターン
問題解決でのデータの絡ませ方には、以下の4つのパターンがあります。
- パターン1:課題発見でデータを使う
- パターン2:課題解決でデータを使う
- パターン3:課題発見と課題解決の両方でデータを使う
- パターン4:課題発見と課題解決のどちらでもデータを使わない
(1)パターン1:課題発見でデータを使う
課題発見でデータを使うとは、取り組むテーマと言うか課題を設定するときに、データによるエビデンスと言うかファクト(事実)もしくはデータから導き出した傾向にもとづいた検討をする、ということです。従来からある数理統計学や多変量解析の力を使います。多くの場合、統計的推測(推定と検定)や相関関係(もしくは回帰分析や決定木分析など)の分析で十分です。
例えば、売上が落ちた、という事実に対し、なぜ落ちたのかをデータも活用し分析し、その要因を探る、ということです。もちろん、十分なデータがない場合のケースが多々あります。データがない場合には、データにもとづいた定量的なアプローチではなく、ヒアリングや現地調査などの定性的なアプローチが必要になります。
(2)パターン2:課題解決でデータを使う
課題解決でデータを使うとは、取り組むテーマと言うか設定された課題に取り組むときに、データを使って現場アクションの手助けをする、ということです。例えば、顧客の離反対策を日々実施しなければならない部署にとって、誰が離反しそうかのアラートは重要です。そのアラートをデータにもとづいて出すということです。
例えば、受注予測や予知保全、予兆検知なども同様でしょう。今すべき現場アクションの背中を押したり、アクションの質を高めたりするために利用されるケースが多いです。
(3)パターン3:課題発見と課題解決の両方でデータを使う
課題発見と課題解決の両方でデータを使うとは、取り組むテーマと言うか課題を設定するときにもデータを使うし、その課題に取り組むときにもデータを使うケースです。
このパターンは、データが大活躍します。データを両方で使える状態になっている場合、まさにデータドリブンな状態と言えるでしょう。営業であればデータドリブン営業、マーケティングであればデータドリブンマーケティング、経営であればデータドリブン経営、などなど。
(4)パターン4:課題発見と課題解決のどちらでもデータを使わない
データは無理して使う必要はありません。データを使わずに問題解決できるのであれば、それはそれで問題ありません。世の中には、データを使わなくても課題発見できることもありますし、デ...
ータを使わなくても課題解決することもあります。
しかし、両方で使わない場合、データが無かったり、データがあっても汚かったり、データ活用できる状態でない場合も少なくありません。まともにデータ活用を実施したことのない組織のデータほど、汚いという実情があります。そのような組織の方は、何かしらデータ分析を実施し、その汚さを認識し、一度データを綺麗にしておくことをお勧めします。
◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!
◆データ分析講座の注目記事紹介