◆デジタル人材の育成から学ぶ商品企画に必要な人材とは
先日、デジタル人材育成についての取り組みを伺いましたので、今回はデジタル人材育成と対比して、商品企画に重要な顧客価値創造人材育成について考えます。デジタル人材とはAIの活用、AIの開発、システム展開のための人材を指します。デジタル人材育成の取り組みは、IT人材育成と共に企業活動において急務であります。では、商品企画に重要な顧客価値を創造出来る人材の育成は、どう考えれば良いでしょう。
1.データサイエンティストのスキル
- テーマ実行力(ビジネス力):課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し実行し解決に導くこと
- 分析力(データサイエンス力):情報処理、人工知能、統計学など情報科学の知識を理解し、使うこと
- データエンジニア力:データサイエンスを意味ある形に使えるようにし、実装・運用できるようにすること
(データサイエンティスト協会から引用)
上記のデジタル人材のスキルを顧客価値創造のための人材で考えると、どのように展開したらよいでしょうか。顧客価値創造のための人材もデジタル人材育成と同様に企業発展のために必須な項目です。継続的に社内で育成できる仕組みを導入すべきです。
2.顧客価値検証におけるスキル
ここで重要なのは価値創造ができることと、顧客価値が顧客要求と合致していることです。仮説が自社や他社連携にて技術融合し製品化ができること、事業部に展開し、量産化できることが必要です。
・テーマ設定
:顧客価値創造のための中期計画策定とテーマの選定
:新規事業開拓と市場性検討
・顧客接近の方法と分析
:顧客情報の収集と分析
・有望仮説案の技術との融合、試作化
・顧客価値の検証と事業部展開
:分析結果を元に計画、新事業部の展開
3.データサイエンティストの推進人材
①企画:差別化プロジェクト、プロセス改革→ここではビジネスイノベーターとしての人材教育が必要です。
②データ収集
③データ加工
④設計
⑤機械学習→データサイエンティストとしての人材教育が必要です。
⑥運用、提案、事業部展開→システムアーキテクトとしての人材教育が必要です。
4.顧客価値を創造出来る人材の育成
事業展開するためには、次の項目を創造出来る人材教育が必要です。
①商品戦略策定
②テーマ選定
③仮説検討
④顧客へヒアリング、設計、実査、まとめ
⑤仮説案ブラッシュアップ
⑥仮説案ポジショニング、設計、実査、まとめ
⑦仮説案の具体化、設計、実査、まとめ
⑧試作へ顧客要望と技術とのリンク
⑨事業部展開
5.データサイエンティストの人材成長のステップ
データサイエンティスト人材としてのレベルアップは以下の通りです。
レベル1
・基礎的情報技術知識がわかる
レベル2
・分析が行える
・Pythonが自分で書ける
レベル3
・ドメイン知識
・3つの基礎スキル(統計学・情報工学・経営学)があり、プレゼン能力がある
レベル4
・プロジェクトマネジメントができる
・現場を巻き込みテーマ提案ができる
レベル5~6
・人・もの・かねを采配し優先順位を判断し、戦略的に実行できる
レベル7
・新たな理論を構築し、社会を劇的に変えるずば抜けた実行力を持つ
6.顧客価値創造のための人材育成のステップ
データサイエンティスト人材から顧客価値創造のための人材としてのレベルアップは以下の通りです。
レベル1
・顧客価値創造の基本的知識がある
:方法論、問題解決能力、課題解決能力がわかる
レベル2
・顧客価値創造の分析ができる
:チーム内で推進ができる
レベル3
・顧客価値創造のための設計、分析ができる
:チーム内でリーダーができる
レベル4
・顧客価値創造のためのプロジェクトチームの推進ができる
レベル5
・顧客価値創造のための育成ができる
:事業部に推進、指導ができる
レベル6
・顧客価値創...
:中長期新商品推進プロジェクトが実行できる
【商品企画に重要な顧客価値を創造出来る人材の最終的目標】
- 部門横断で全社的視点で顧客価値創造が推進できる
- 既存事業を越えたイノベーション人材を育成する
- 部門の固定概念を越えて、抜本的な改革を起こす顧客価値創造を推進する
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私は顧客価値創造のための人材育成の専門家ではありませんが、デジタル人材同様に体系的、段階的に教育して行くことにより、組織において横断的に顧客価値創造のための実行部隊を育成することは重要に思います。