「安全衛生や品質保全などのルールを制定したが、なかなか全員がそれを守ってくれない。」ルールの周知徹底 ができない・・・・。そのほとんどは「ルールを制定し、教育訓練を展開しながらルールを周知している。教育訓練記録まで書いてもらい、自覚を促しているのにルールが守られない」といったケースです。やることはやっているのに、 ルールの周知徹底ができないのはなぜか?今回は、ルールの周知徹底についてのおはなしです。
1. ルールの周知徹底に対する4つの認知パターンとは
例えば、目の前に問題や課題が立ちはだかったとしましょう。あなたは、その問題解決に向けて考え、行動を起こすでしょう。しかし、こんな経験はありませんか?
「以前発生した問題なのに、また同じことが起きてしまった。ルールも変更して、その問題が再発しないよう改善をしたはずなのに・・・。」
問題の再発は、タイムロスを生み業務効率の低下を招きます。また、ワークモチベーションにも悪影響を及ぼします。そして、この悪循環が起きてしまうと、さらなる効率低下を招いてしまいます。
例えば「ルールを守らない」といった問題が、あなたの職場で起きたとします。
そして、その ルールの周知徹底 と励行を部下や後輩に指示したとしましょう。ところが、なかなかルールの徹底が浸透しないことってありませんか?この原因として、人にはルールに対する価値観があり、この価値観の違いがルールの浸透を阻害し、浸透していかないことが考えられます。
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2. ルールに対する価値観(捉え方)のパターンとは
人のルールに対する価値観(捉え方)には、いくつかのパターンがあることが、言語心理や認知心理から解っています。そのパターンとは
- 私が守るべきルールは、あなたも守るべきである(個人型)
- 私が守るべきルールは、守るが、あなたが決めたルールは、私には関係ない(無関心型)
- 私が守るべきルールは、あなたが決めたルールだ(迎合型)
- 私が守るべきルールは、守るが、あなたにはあなたのルールがある(寛容型)
一般的に組織内では、個人型と迎合型が多く存在し、ルールによる業務統制が展開されます。これは、ルールを決める人と、決められたルールを守る人から構成されているコトが前提です。
ところが、ルールに関する人の認知パターンには無関心型と寛容型も存在しています。この2つのパターンでは、決められたルールを守るというより、自分で決めたルール以外は守る気が無いというパターンです。すると、先ほどの前提条件が崩れてしまい、ルールの周知徹底はできなくなるのです。
無関心型と寛容型は、自分で決めたルールは守るという特長があるため、ル...