TRIZと出会う前に、筆者がアイデアに困り切羽詰まった時には、次のような方法でヒントを模索していました。知財部のデータベースをパラパラめくって図や課題解決プロセスを斜め読みしたり、書店や図書館にある書籍のタイトルや見出しをスキャンしたり、異分野の展示会などでアナロジーのヒントを探るなどです。皆さんは、どのような方法を取っていたでしょうか。後から考えると、実はこれらが、TRIZツールの一つであるEffectsのコンセプトでした。
Effectsの機能は、実現したい機能から、使えそうな効果を引き出す「逆引き辞書」と呼ばれています。世界中のさまざまな過去の名案にもたどり着けるのです。優秀な技術者でも、図1のような原理・法則を、せいぜい20~30種類ぐらいしか思い浮かばないのではないでしょうか。最近では、TRIZの専用ソフトウェアを持っていなくても、特許庁の特許データベース、YahooやGoogleの検索エンジンなどを活用してもほぼ似たような検索が可能になっています。
図1 Effectsの原理・法則等
今では、インターネットに接続できれば、「Effects」環境がすぐ作れます。図2のように、課題のキーワードを、機能・属性等のキーワードと併用することで、欲しいアイデアに近づきます。具体的には、機能(○○する)と「固体、液体、気体、場など」または属性(重力、力、温度等)と「増大させる、減少させる等」を組み合わせます。例えばGoogleで検索する時に、「空気、流...
図2 インターネットをEffects的に活用する