私は相変わらず出張族で、ゆっくりする時間がありません。そんな時、風景を見ると、ホッと一息できます。そんな風景が車窓を流れるなか、こんなことを考えていました。それは「ビジョンについて」です。改善や改革を進めるリーダーには、ぜひ描いて欲しいビジョン。メンバーのモチベーションを高めるためにもビジョンを描き、そして、伝えて欲しいのです。
ものづくりの現場をはじめ、様々な業種の”現場”を見ていると「これはすごい活動だ!」と驚くこともしばしば。ところが、改善や改革を進めようと頑張ってはいるのに、成果がいまいちの”現場”もあります。今回は、質の高いビジョンを、説得力と説明力で伝えよう!を解説します。
1. 成果が出る現場と、出ない現場の違い
成果が出る”現場”。そして、成果の出ない”現場”。それぞれを観察すると、ある共通したコトに気付きます。それは、『ビジョンの質』です。
ビジョンとは、次の3点に整理して私は解釈しています。
- 自分達の理想や希望を
- 頭の中に描けるほど強く思い描き
- 言葉で表すこと
さらに詳しく話を進めると、ビジョンは次の2つの要素に分かれます。
- 自分達の職場をどのようにしたいのか?(希望)
- 願わくば、どんな成果を得たいのか?(願望)
例えば
①5S活動を通じて、ムダの無い、疲れない職場にしたい。
願わくば、品質エラーを削減したい。
②革新活動を通じて、職場の雰囲気を明るく話しやすくしたい。
願わくば、情報共有が進み、予防処置が展開したい。
③環境保全活動を通じて、地域住民との共生を強めたい。
願わくば、コスト削減を進めたい。
2. 例えば、上手くいかない5S活動では…
上手くいかない5S活動を見ていると「お掃除して、片付けて、綺麗にする」といった進め方が多い様な気がしています。これでは何をするかは解っていても、何のためにするのかが希...