学ぶ姿勢で学習効果が変わる、プロフェッショナルから学ぶことの重要性

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学ぶ姿勢で学習効果が変わる、プロフェッショナルから学ぶことの重要性

【目次】

    私は、多くの次世代リーダーを育成する研修講師を担当しています。メンバー達は、20代後半~40代前半までの多様な世代が集まっています。それぞれの世代毎に、仕事の価値観が異なっていて「通じる話/通じない話」があったりと、講師側もいろいろと”話しネタ”に苦労します。ただ、どの年代も、世代を超えた共通の”ネタ”というものを必ず話し、その話をコアに各世代の対話の活性化を狙います。今回は、プロフェッショナルから学ぶことの重要性についてお話しします。

     

    私たちは常に学び続けることで成長し、より良いリーダーとなることができます。その学びの中でも、プロフェッショナルから直接学ぶ機会は非常に貴重です。心理学や脳科学の観点から、プロフェッショナルから学ぶことの重要性と、その具体的な方法について考えてみましょう。心構えひとつで学びの深さが増します。あなたの学ぶ姿勢ひとつで、学習効果が変わります。

     

    1. スキルアップ・長期記憶形成のメカニズム

    (1)心理学的な観点

    心理学者アルバート・バンデューラの社会的学習理論によれば、人々は観察や模倣を通じて学習します。この原理原則に基づくと、何かを学ぶときは、プロフェッショナルを観察し、その行動や思考パターンを模倣することで、私たちは自分自身のスキルや知識を向上させることができるのです。このプロセスにおいて、プロフェッショナルに対する敬意は非常に重要です。敬意を持つことで、私たちは謙虚な姿勢で学び、相手の知識や経験を素直に受け入れることができるからです。

     

    (2)ミラーニューロンの働き

    脳科学の観点からは、ミラーニューロンの働きが関係します。

     

    ミラーニューロンは、他人の行動を観察することで、自分の脳内で同じような活動を引き起こすニューロンです。プロフェッショナルの行動を観察することで、ミラーニューロンが活性化し、その行動や思考パターンを自分のものとして取り入れることが容易になります。このプロセスも、プロフェッショナルに対する敬意があると、より効果的に働きます。経緯を持つことで、観察する姿勢が真剣になり、ミラーニューロンの活動がより強化されます。

     

    (3)敬意がもたらす感情的なつながり

    敬意を持って学ぶことで、感情的なつながりも強化されます。このつながりは、学習プロセスを深め、長期的な記憶の形成に影響します。尊敬の念を持ちながら学ぶことで、ポジティブな感情が生まれ、それが学習のモチベーションや記憶の定着を高めるからです。

     

    2. 敬意から生まれる感情

    プロフェッショナルに対して敬意を抱くと、あなたには、次の感情が芽生えます。

    • 謙虚さ: プロフェッショナルの経験や知識に対して謙虚な気持ちが芽生え、自分の成長や学びに対する意欲が高まります。
    • 感謝: プロフェッショナルが提供する知識やスキル、アドバイスに対する感謝の気持ちが生まれます。この感謝は、学ぶ意欲をさらに高める要素となります。
    • 信頼: プロフェッショナルに対する信頼感が強まります。信頼感があると、相手の意見やアドバイスを受け入れやすくなり、学びが深まります。
    • 尊敬: プロフェッショナルの能力や実績に対して尊敬の念を抱くことで、自分自身もそのレベルに達したいというモチベーションが生まれます。
    • 安心感: 信頼できるプロフェッショナルの指導を受けることで、安心や安全感を感じることができます。この感情は、メンタルモデルをポジティブなものにします。
    • 誇り: プロフェッショナルと関わることで、誇りや自己効力感が高まり、自分自身も成長し続けたいという意欲が生まれます。

     

    3. 敬意を伝える具体的な方法

    そして、プロフェッショナルに対して、敬意の気持ちを伝えることも、信頼関係を深めるのに大切です。プロフェッショナルに対して敬意を抱いていることを伝えるためには、以下の行動やポイントを意識することよいでしょう。

    感謝の言葉を伝える

    具体的な場面や助言に対して、感謝の気持ちを言葉にして伝えます。「○○さんのアドバイスがとても参考になりました」など、具体的な内容を含めて感謝を表現しましょう。

    フィードバックを積極的に求める

    自分の仕事や進捗についてプロフェッショナルの意見を求めることで、相手の知識や経験を尊重していることを示します。

    学びの意欲を見せる

    プロフェッショナルからのアドバイスや指導を真剣に受け止め、その内容を実行に移す姿勢を見せます。質問を積極的に行い、理解を深める努力をすることも重要です。

    時間を尊重する

    プロフェッショナルの時間を大切にする姿勢を示します。予定を守り、打ち合わせや会議での時間を有効に使うことを心がけます。

    礼儀正しい態度を保つ

    礼儀正しく丁寧な言葉遣いや態度を心がけ、相手への敬意を態度で表します。

    実績を認める

    プロフェッショナルの過去の実績や成果に対して敬意を示し、具体的な事例を挙げてその重要性を認識していることを伝えます。

    継続的な関心を示す

    プロフェッショナルが取り組んでいるプロジェクトや研究に対して関心を持ち、その進捗や成果について話題にすることで、相手の仕事を尊重していることを示します。

    共同作業に対する協力姿勢

    プロフェッショナルと共同で作業する際には、積極的に協力し、チームの一員と...

    学ぶ姿勢で学習効果が変わる、プロフェッショナルから学ぶことの重要性

    【目次】

      私は、多くの次世代リーダーを育成する研修講師を担当しています。メンバー達は、20代後半~40代前半までの多様な世代が集まっています。それぞれの世代毎に、仕事の価値観が異なっていて「通じる話/通じない話」があったりと、講師側もいろいろと”話しネタ”に苦労します。ただ、どの年代も、世代を超えた共通の”ネタ”というものを必ず話し、その話をコアに各世代の対話の活性化を狙います。今回は、プロフェッショナルから学ぶことの重要性についてお話しします。

       

      私たちは常に学び続けることで成長し、より良いリーダーとなることができます。その学びの中でも、プロフェッショナルから直接学ぶ機会は非常に貴重です。心理学や脳科学の観点から、プロフェッショナルから学ぶことの重要性と、その具体的な方法について考えてみましょう。心構えひとつで学びの深さが増します。あなたの学ぶ姿勢ひとつで、学習効果が変わります。

       

      1. スキルアップ・長期記憶形成のメカニズム

      (1)心理学的な観点

      心理学者アルバート・バンデューラの社会的学習理論によれば、人々は観察や模倣を通じて学習します。この原理原則に基づくと、何かを学ぶときは、プロフェッショナルを観察し、その行動や思考パターンを模倣することで、私たちは自分自身のスキルや知識を向上させることができるのです。このプロセスにおいて、プロフェッショナルに対する敬意は非常に重要です。敬意を持つことで、私たちは謙虚な姿勢で学び、相手の知識や経験を素直に受け入れることができるからです。

       

      (2)ミラーニューロンの働き

      脳科学の観点からは、ミラーニューロンの働きが関係します。

       

      ミラーニューロンは、他人の行動を観察することで、自分の脳内で同じような活動を引き起こすニューロンです。プロフェッショナルの行動を観察することで、ミラーニューロンが活性化し、その行動や思考パターンを自分のものとして取り入れることが容易になります。このプロセスも、プロフェッショナルに対する敬意があると、より効果的に働きます。経緯を持つことで、観察する姿勢が真剣になり、ミラーニューロンの活動がより強化されます。

       

      (3)敬意がもたらす感情的なつながり

      敬意を持って学ぶことで、感情的なつながりも強化されます。このつながりは、学習プロセスを深め、長期的な記憶の形成に影響します。尊敬の念を持ちながら学ぶことで、ポジティブな感情が生まれ、それが学習のモチベーションや記憶の定着を高めるからです。

       

      2. 敬意から生まれる感情

      プロフェッショナルに対して敬意を抱くと、あなたには、次の感情が芽生えます。

      • 謙虚さ: プロフェッショナルの経験や知識に対して謙虚な気持ちが芽生え、自分の成長や学びに対する意欲が高まります。
      • 感謝: プロフェッショナルが提供する知識やスキル、アドバイスに対する感謝の気持ちが生まれます。この感謝は、学ぶ意欲をさらに高める要素となります。
      • 信頼: プロフェッショナルに対する信頼感が強まります。信頼感があると、相手の意見やアドバイスを受け入れやすくなり、学びが深まります。
      • 尊敬: プロフェッショナルの能力や実績に対して尊敬の念を抱くことで、自分自身もそのレベルに達したいというモチベーションが生まれます。
      • 安心感: 信頼できるプロフェッショナルの指導を受けることで、安心や安全感を感じることができます。この感情は、メンタルモデルをポジティブなものにします。
      • 誇り: プロフェッショナルと関わることで、誇りや自己効力感が高まり、自分自身も成長し続けたいという意欲が生まれます。

       

      3. 敬意を伝える具体的な方法

      そして、プロフェッショナルに対して、敬意の気持ちを伝えることも、信頼関係を深めるのに大切です。プロフェッショナルに対して敬意を抱いていることを伝えるためには、以下の行動やポイントを意識することよいでしょう。

      感謝の言葉を伝える

      具体的な場面や助言に対して、感謝の気持ちを言葉にして伝えます。「○○さんのアドバイスがとても参考になりました」など、具体的な内容を含めて感謝を表現しましょう。

      フィードバックを積極的に求める

      自分の仕事や進捗についてプロフェッショナルの意見を求めることで、相手の知識や経験を尊重していることを示します。

      学びの意欲を見せる

      プロフェッショナルからのアドバイスや指導を真剣に受け止め、その内容を実行に移す姿勢を見せます。質問を積極的に行い、理解を深める努力をすることも重要です。

      時間を尊重する

      プロフェッショナルの時間を大切にする姿勢を示します。予定を守り、打ち合わせや会議での時間を有効に使うことを心がけます。

      礼儀正しい態度を保つ

      礼儀正しく丁寧な言葉遣いや態度を心がけ、相手への敬意を態度で表します。

      実績を認める

      プロフェッショナルの過去の実績や成果に対して敬意を示し、具体的な事例を挙げてその重要性を認識していることを伝えます。

      継続的な関心を示す

      プロフェッショナルが取り組んでいるプロジェクトや研究に対して関心を持ち、その進捗や成果について話題にすることで、相手の仕事を尊重していることを示します。

      共同作業に対する協力姿勢

      プロフェッショナルと共同で作業する際には、積極的に協力し、チームの一員としての責任を果たします。

       

      私は、多くのプロフェッショナルから、その専門知識について学んできました。この時、謙虚さと敬意を忘れないようにしています。この気持ちが、プロフェッショナルに伝わると、特別な知識やノウハウを教えてくれたり、よりわかりやすく丁寧に説明をしてくださることが多々ありました。

       

      以上のように、プロフェッショナルから学ぶことの大切さを理解し、敬意を持って学ぶ姿勢を持つことは、リーダーシップスキルを向上させるための重要なステップです。これらのポイントを意識し、実践していくことで、立派なリーダーへと成長してほしいと思います。

      謙虚 ・ 敬意 ・ 感謝 

      あなたの学ぶ姿勢1つで学習効果が変わります。あなたと部下や後輩の「学びの姿勢」について見直してみましょう。

       

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      この記事の著者

      坂田 和則

      現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

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