三元共晶反応:金属材料基礎講座(その180) わかりやすく解説

◆ 三元共晶反応

ABC3種類の元素が各組合せで共晶反応となる時の三元系状態図について見てみます。

 

単純にするため固溶限のない共晶反応とします。二元系状態図に共晶反応や包晶反応などが見られたように三元系状態図にも三元共晶反応という反応があります。図1に三元共晶反応の模式図を示します。AB、BC、ACそれぞれの共晶反応から三元状態図の三角形に向かって共晶反応が伸びていきます。赤い三角形はL⇄α+βの共晶反応を表しています。二元系状態図では共晶反応は直線で表していましたが、三元系状態図では共晶反応は共晶パイプと呼ばれる領域になります。

 

同様に青い三角形はL⇄α+γ、緑の三角形はL⇄β+γの共晶パイプをそれぞれ表します。そしてこの3つの三角形は一つの温度、組成Pに集まります。この時の温度を三元共晶反応と呼び、その反応はL⇄α+β+γという4相共存となります。温度P以下ではどんな組成でもα+β+γの3相組織になります。

 

図1.三元共晶反応の模式図

 

ST間の垂直切断面を図2に示します。共晶パイプの領域をそれぞれ青、赤、緑で表しています。その上はL+αなどの液相と固相の領域、3つの共晶パイプの底辺が三元共晶反応の温度です。それ以下の温度は全て固相です。

 

図2.ST間の垂直切断面

 

次回に続きます。

 

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