ステレオ投影の使い方-1:金属材料基礎講座(その186) わかりやすく解説

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ステレオ投影の使い方-1:金属材料基礎講座(その186) わかりやすく解説

【目次】

    ステレオ投影を扱う時は通常、ウルフネットとトレーシングペーパーの2枚を使用します。これはウルフネットに直接書き込まずにトレーシングペーパーに点や座標を書き込んだり角度を測定するためです。ステレオ投影で出来ることはいくつかあるので、それを紹介します。 

     

    1. 角度の測定

    最も基本となるのが角度の測定です。これは経線上の目盛りから角度を測定します。しかし、角度を測定したい2点が経線上にあることはほとんどないので、まず経線上に移動することから始めます。ここでトレーシングペーパーが役に立ちます。トレーシングペーパー上に2点を書き込んだら、ウルフネットの上に重ねます。そして、ウルフネットとトレーシングペーパーの中心を合わせてトレーシングペーパーを回転させて2点が同一経線上となる位置を探します。この時横の緯線ではなく縦の経線に合わせることに注意します。同一経線を見つけたら、目盛りにそって角度を測定します。この様子を図1に示します。図1では10°間隔のウルフネットを使用しています。分かりやすくするためにトレーシングペーパーを赤字で表します。経線の目盛りより点Aと点Bの角度は70°となります。

     

    ステレオ投影の使い方-1:金属材料基礎講座(その186) わかりやすく解説

    図1.ステレオ投影の角度測定

     

    2. 軸の回転

    南北のNS軸にそって軸回転した時に点A、点Bなどの座標がどこに移動するかを求めます。この場合は横方向の緯線にそって点を移動させます。この時はトレーシングペーパーを回転しません。例えばNS軸にそって50°WからE方向に回転する場合、初めの位置から緯線の目盛りでE側に50°移動します。この様子を図2に示します。軸回転した後の座量を点A’、点B’とします。もし反対にEからW方向に回転する場合は緯線にそってW側に移動します。

     

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    ステレオ投影の使い方-1:金属材料基礎講座(その186) わかりやすく解説

    【目次】

      ステレオ投影を扱う時は通常、ウルフネットとトレーシングペーパーの2枚を使用します。これはウルフネットに直接書き込まずにトレーシングペーパーに点や座標を書き込んだり角度を測定するためです。ステレオ投影で出来ることはいくつかあるので、それを紹介します。 

       

      1. 角度の測定

      最も基本となるのが角度の測定です。これは経線上の目盛りから角度を測定します。しかし、角度を測定したい2点が経線上にあることはほとんどないので、まず経線上に移動することから始めます。ここでトレーシングペーパーが役に立ちます。トレーシングペーパー上に2点を書き込んだら、ウルフネットの上に重ねます。そして、ウルフネットとトレーシングペーパーの中心を合わせてトレーシングペーパーを回転させて2点が同一経線上となる位置を探します。この時横の緯線ではなく縦の経線に合わせることに注意します。同一経線を見つけたら、目盛りにそって角度を測定します。この様子を図1に示します。図1では10°間隔のウルフネットを使用しています。分かりやすくするためにトレーシングペーパーを赤字で表します。経線の目盛りより点Aと点Bの角度は70°となります。

       

      ステレオ投影の使い方-1:金属材料基礎講座(その186) わかりやすく解説

      図1.ステレオ投影の角度測定

       

      2. 軸の回転

      南北のNS軸にそって軸回転した時に点A、点Bなどの座標がどこに移動するかを求めます。この場合は横方向の緯線にそって点を移動させます。この時はトレーシングペーパーを回転しません。例えばNS軸にそって50°WからE方向に回転する場合、初めの位置から緯線の目盛りでE側に50°移動します。この様子を図2に示します。軸回転した後の座量を点A’、点B’とします。もし反対にEからW方向に回転する場合は緯線にそってW側に移動します。

       

      ステレオ投影の使い方-1:金属材料基礎講座(その186) わかりやすく解説

      図2.ステレオ投影の軸回転

       

      次回に続きます。

       

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      この記事の著者

      福﨑 昌宏

      金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。

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