ステレオ投影を扱う時は通常、ウルフネットとトレーシングペーパーの2枚を使用します。これはウルフネットに直接書き込まずにトレーシングペーパーに点や座標を書き込んだり角度を測定するためです。ステレオ投影で出来ることはいくつかあるので、それを紹介します。
1. 角度の測定
最も基本となるのが角度の測定です。これは経線上の目盛りから角度を測定します。しかし、角度を測定したい2点が経線上にあることはほとんどないので、まず経線上に移動することから始めます。ここでトレーシングペーパーが役に立ちます。トレーシングペーパー上に2点を書き込んだら、ウルフネットの上に重ねます。そして、ウルフネットとトレーシングペーパーの中心を合わせてトレーシングペーパーを回転させて2点が同一経線上となる位置を探します。この時横の緯線ではなく縦の経線に合わせることに注意します。同一経線を見つけたら、目盛りにそって角度を測定します。この様子を図1に示します。図1では10°間隔のウルフネットを使用しています。分かりやすくするためにトレーシングペーパーを赤字で表します。経線の目盛りより点Aと点Bの角度は70°となります。
図1.ステレオ投影の角度測定
2. 軸の回転
南北のNS軸にそって軸回転した時に点A、点Bなどの座標がどこに移動するかを求めます。この場合は横方向の緯線にそって点を移動させます。この時はトレーシングペーパーを回転しません。例えばNS軸にそって50°WからE方向に回転する場合、初めの位置から緯線の目盛りでE側に50°移動します。この様子を図2に示します。軸回転した後の座量を点A’、点B’とします。もし反対にEからW方向に回転する場合は緯線にそってW側に移動します。
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図2.ステレオ投影の軸回転
次回に続きます。
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