ステレオ投影の使い方-2:金属材料基礎講座(その187) わかりやすく解説

投稿日

ステレオ投影の使い方-2:金属材料基礎講座(その187) わかりやすく解説

【目次】

    ◆ ステレオ投影の使い方-2

    ステレオ投影ではNS軸に沿った回転や中心点に沿った回転を行うことが多いです。そして点A0が任意の点B0の周りを回転する方法について見ていきます。下図の各段階について下記に示します。

     

    (1) 初めの位置

    点A0と点B0の初めの位置です。今回は点A0が点B0の周りを時計回りに48°回転する方法を見ていきます。もちろんこのまま点B0の周りを回転するのではなく色々な操作を行います。

     

    (2) 点B0をWE線上に移動する

    まずは点B0を原点に移動させます。そのためには点B0をWE線上まで回転させます。移動後の位置はB1とします。そしてB0→B1と同じ角度をA0→A1も移動します。これはトレーシングペーパーを回転させます。 

     

    (3) B1を原点に移動する

    次にB1を中心に移動させます。B1から中心までは50°なのでNS軸を50°WからE方向に回転させます。この時A1も横方向の緯線にそってA2まで50°移動させます。この操作でB2が原点と重なりました。この時トレーシングペーパーを回転させると点Bを中心に回転することができます。点Bを原点に移動する順番としてWE線上に回転移動させた後にNS軸を回転します。もし初めにNS軸まで回転させてWE軸を回転させても点Aの移動経路が縦方向の経線とは異なるので点Aの位置がわからなくなります。

     

    (4) B2(原点)を中心に回転する

    ようやくB2を中心にA2を回転させます。もう一枚トレーシングペーパーを用意してもよいですが、直接トレーシングペーパーにコンパスと分度器で作図してもかまいません。この時は原点とA2から実測で48°時計回りに回転した点を点A3とします。 

     

    (5) A3を今までと反対の経路を取る

    A3の位置はあくまで仮の位置です。元々の基準であるB0に対応した位置まで移動しなければなりません。そのために今までと反対の経路を取ります。まずはNS軸回転です。(3)ではWE方向に50°移動しました。そのため今回は反対のEW方向に50°移動させます。それによってA3からA4に移動します。B2はB1に戻ります。

     

    (6) 中心を回転する

    最後に(2)の操作の反対方向に回転します。つまりトレーシングペーパーを元の位置に戻します。これによってB1は元のB0に戻ります。そしてA4はA5に移動します。このA5が求めるべき位置になります。なお、B0からA0、A5の角度を測定すると52°になります。B0とA0の角度...

    ステレオ投影の使い方-2:金属材料基礎講座(その187) わかりやすく解説

    【目次】

      ◆ ステレオ投影の使い方-2

      ステレオ投影ではNS軸に沿った回転や中心点に沿った回転を行うことが多いです。そして点A0が任意の点B0の周りを回転する方法について見ていきます。下図の各段階について下記に示します。

       

      (1) 初めの位置

      点A0と点B0の初めの位置です。今回は点A0が点B0の周りを時計回りに48°回転する方法を見ていきます。もちろんこのまま点B0の周りを回転するのではなく色々な操作を行います。

       

      (2) 点B0をWE線上に移動する

      まずは点B0を原点に移動させます。そのためには点B0をWE線上まで回転させます。移動後の位置はB1とします。そしてB0→B1と同じ角度をA0→A1も移動します。これはトレーシングペーパーを回転させます。 

       

      (3) B1を原点に移動する

      次にB1を中心に移動させます。B1から中心までは50°なのでNS軸を50°WからE方向に回転させます。この時A1も横方向の緯線にそってA2まで50°移動させます。この操作でB2が原点と重なりました。この時トレーシングペーパーを回転させると点Bを中心に回転することができます。点Bを原点に移動する順番としてWE線上に回転移動させた後にNS軸を回転します。もし初めにNS軸まで回転させてWE軸を回転させても点Aの移動経路が縦方向の経線とは異なるので点Aの位置がわからなくなります。

       

      (4) B2(原点)を中心に回転する

      ようやくB2を中心にA2を回転させます。もう一枚トレーシングペーパーを用意してもよいですが、直接トレーシングペーパーにコンパスと分度器で作図してもかまいません。この時は原点とA2から実測で48°時計回りに回転した点を点A3とします。 

       

      (5) A3を今までと反対の経路を取る

      A3の位置はあくまで仮の位置です。元々の基準であるB0に対応した位置まで移動しなければなりません。そのために今までと反対の経路を取ります。まずはNS軸回転です。(3)ではWE方向に50°移動しました。そのため今回は反対のEW方向に50°移動させます。それによってA3からA4に移動します。B2はB1に戻ります。

       

      (6) 中心を回転する

      最後に(2)の操作の反対方向に回転します。つまりトレーシングペーパーを元の位置に戻します。これによってB1は元のB0に戻ります。そしてA4はA5に移動します。このA5が求めるべき位置になります。なお、B0からA0、A5の角度を測定すると52°になります。B0とA0の角度が52°なので、もしA0を様々な角度でB0を中心に回転させても、B0との角度は常に52°となります。

       

      ステレオ投影の使い方-2:金属材料基礎講座(その187) わかりやすく解説

      ステレオ投影の使い方-2:金属材料基礎講座(その187) わかりやすく解説

      ステレオ投影の使い方-2:金属材料基礎講座(その187) わかりやすく解説

       

      次回に続きます。

       

      関連解説記事:金属材料基礎講座 【連載記事紹介】

      連載記事紹介:ものづくりドットコムの人気連載記事をまとめたページはこちら!

       

      【ものづくり セミナーサーチ】 セミナー紹介:国内最大級のセミナー掲載数 〈ものづくりセミナーサーチ〉 はこちら!

       

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      福﨑 昌宏

      金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。

      金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。


      「金属・無機材料技術」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      ボルタ電池 金属材料基礎講座(その54)

        ◆ ボルタ電池の仕組み  2枚の材質の異なる電極を希硫酸などの電解質に浸すと電流が流れます。これは酸による腐食の簡単なモデルです(図...

        ◆ ボルタ電池の仕組み  2枚の材質の異なる電極を希硫酸などの電解質に浸すと電流が流れます。これは酸による腐食の簡単なモデルです(図...


      液相面投影図と等温切断面:金属材料基礎講座(その177) 

        ◆ 液相面投影図と等温切断面 三元系状態図の表示方法として、立体的な図形で表示することよりも、真上から見た図や、ある温度における平面...

        ◆ 液相面投影図と等温切断面 三元系状態図の表示方法として、立体的な図形で表示することよりも、真上から見た図や、ある温度における平面...


      ステレオ投影:金属材料基礎講座(その183) わかりやすく解説

        ◆ ステレオ投影 国内最多のものづくりに関するセミナー掲載中! ものづくりドットコムでは、製造業に関するセミナーを常時...

        ◆ ステレオ投影 国内最多のものづくりに関するセミナー掲載中! ものづくりドットコムでは、製造業に関するセミナーを常時...


      「金属・無機材料技術」の活用事例

      もっと見る
      ゾルゲル法による反射防止コートの開発と生産

       15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...

       15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...


      金代替めっき接点の開発事例 (コネクター用貴金属めっき)

       私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...

       私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...