「物質タスク型マネジメント」と「人間重視型マネジメント」のバランス化とは

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「物質タスク型マネジメント」と「人間重視型マネジメント」のバランス化とは

【目次】

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    労働安全衛生マネジメントは、製造業、倉庫業、建設業、医療福祉関係、化学産業など、どの業界においても不可欠な要素です。従業員健康と職場安全を確保し、リスクマネジメントを徹底するために、組織は常に最新の安全対策を講じ、継続的な改善を図る必要があります。しかし、一つの問題が常に浮かび上がります。それは「物質タスク型マネジメント」と「人間重視型マネジメント」のどちらに重点を置くべきかということです。今回は、これら二つのアプローチのバランス化がいかに重要であるかについてのお話しです。また、そのための組織心理学、コーチング心理学、NLP(神経言語プログラミング)、LABプロファイル(言語と行動プロファイル)がどのように役立つか、についてお話しします。労働安全衛生の向上と従業員の生産性が最大化される職場環境が構築できます。ゼロ災をねらうならバランス化が大切です。

     

    1. 物質タスク型マネジメントとは

    物質タスク型マネジメントは、規則やプロセスの整備に重点を置く方法です。具体的には以下の要素が含まれます。

    • 保護具管理:適切な保護具を提供し、その使用を徹底させる。
    • 規則の施行:詳細な作業手順書や安全規則を制定し、その遵守を監視する。
    • 物質管理:有害物質の取り扱いや廃棄方法の管理。

     

    このアプローチは物理的な安全を確保する上で重要です。しかし、規則や装備のみに過度に依存することは、従業員のモチベーション向上や柔軟な対応力を低下させるリスクがあります。柔軟な対応力を具体的にいうと、問題検出力、洞察力、問題解決レジリエンスなどを指します。

     

    2. 人間重視型マネジメントとは

    人間重視型マネジメントは、従業員一人ひとりの心理的要素やコミュニケーションに重点を置く方法です。これには以下の要素が含まれます。

    • 心理的安全の確保:従業員が安心して意見を述べられる環境を作る。
    • モチベーション向上:目標設定やフィードバックを通じて、内発的動機づけを促進する。
    • 信頼関係の構築:リーダーと従業員との信頼を築くための定期的な対話。

     

    このアプローチは、従業員のエンゲージメントと全体のパフォーマンスを向上させる効果があります。しかし、物理的な安全対策が疎かになるリスクもあります。また、ヒヤリハットなどの情報を共有することは、コミュニケーション力が高ければ共有自体はされやすい...

    「物質タスク型マネジメント」と「人間重視型マネジメント」のバランス化とは

    【目次】

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      労働安全衛生マネジメントは、製造業、倉庫業、建設業、医療福祉関係、化学産業など、どの業界においても不可欠な要素です。従業員健康と職場安全を確保し、リスクマネジメントを徹底するために、組織は常に最新の安全対策を講じ、継続的な改善を図る必要があります。しかし、一つの問題が常に浮かび上がります。それは「物質タスク型マネジメント」と「人間重視型マネジメント」のどちらに重点を置くべきかということです。今回は、これら二つのアプローチのバランス化がいかに重要であるかについてのお話しです。また、そのための組織心理学、コーチング心理学、NLP(神経言語プログラミング)、LABプロファイル(言語と行動プロファイル)がどのように役立つか、についてお話しします。労働安全衛生の向上と従業員の生産性が最大化される職場環境が構築できます。ゼロ災をねらうならバランス化が大切です。

       

      1. 物質タスク型マネジメントとは

      物質タスク型マネジメントは、規則やプロセスの整備に重点を置く方法です。具体的には以下の要素が含まれます。

      • 保護具管理:適切な保護具を提供し、その使用を徹底させる。
      • 規則の施行:詳細な作業手順書や安全規則を制定し、その遵守を監視する。
      • 物質管理:有害物質の取り扱いや廃棄方法の管理。

       

      このアプローチは物理的な安全を確保する上で重要です。しかし、規則や装備のみに過度に依存することは、従業員のモチベーション向上や柔軟な対応力を低下させるリスクがあります。柔軟な対応力を具体的にいうと、問題検出力、洞察力、問題解決レジリエンスなどを指します。

       

      2. 人間重視型マネジメントとは

      人間重視型マネジメントは、従業員一人ひとりの心理的要素やコミュニケーションに重点を置く方法です。これには以下の要素が含まれます。

      • 心理的安全の確保:従業員が安心して意見を述べられる環境を作る。
      • モチベーション向上:目標設定やフィードバックを通じて、内発的動機づけを促進する。
      • 信頼関係の構築:リーダーと従業員との信頼を築くための定期的な対話。

       

      このアプローチは、従業員のエンゲージメントと全体のパフォーマンスを向上させる効果があります。しかし、物理的な安全対策が疎かになるリスクもあります。また、ヒヤリハットなどの情報を共有することは、コミュニケーション力が高ければ共有自体はされやすいですが、それに対する改善や問題解決に挑む、といった行動が脆弱になります。

       

      3. 労働安全衛生マネジメントは、バランスが重要

      二つのアプローチが存在する労働安全衛生マネジメントですが、どのように資源配分をすればよいのでしょうか?答えはシンプルです。両方のアプローチに重点を置くことが重要です。つまり、物質タスク型マネジメントと人間重視型マネジメントのバランス化が必要です。このバランスを取ることで、安全でありながらも、従業員が高いモチベーションを持ち、自発的に働く環境を築くことができるのです。

      (1)バランス化のメリット

      バランス化を実現することにより、次の様な行動変容が現れます。

      • ・職場安全の向上:規則とプロセスの整備が、最悪の事態を防ぎます。
      • ・モチベーション向上:従業員が自らの役割を理解し、価値を感じることで、生産性向上が期待できます。
      • ・柔軟性の向上:規則だけでは対応できない状況において、従業員が自発的に問題を解決する能力が身につきます。また、危険を目の前にしたとき、ルールになくとも安全サイドへと意識や行動を変える力も身につきます。

       

      (2)組織心理学の観点から

      組織心理学では、物質タスク型と人間重視型のバランスは、従業員のパフォーマンスや満足度に直接影響することが明らかになっています。明確なガイドラインと適切な保護具管理が整備された環境では、従業員は安心して作業ができ、事故のリスクも低下します。一方で、心理的安全が確保され、モチベーションが高まると、従業員は自発的に安全行動を取るようになります。

       

      (3)コーチング心理学の活用

      コーチング心理学では、従業員の強みを引き出し、目的達成に向けてサポートすることが重視されます。物質タスク型マネジメントにおいては、コーチング手法を用いて従業員がルールの理解を深め、自己の行動と組織の規則との関連性を認識できるようにします。一方、人間重視型マネジメントでは、コーチングによりモチベーションや内発的動機づけを高め、自発的行動を促進します。これには目標設定、フィードバック、積極的な傾聴などが含まれます。

       

      (4)NLP(神経言語プログラミング)の活用

      NLP(神経言語プログラミング)は言語と行動を通じた、自己改善やコミュニケーションの最適化を目指す技術です。物質タスク型マネジメントでは、具体的でポジティブな行動のフレーミングを行い、例えば「この保護具を着用すると安全性が大幅に向上し、安心して作業できます」といった言い回しを促進します。人間重視型マネジメントでは、NLPを利用して従業員とのラポールを構築し、信頼関係を深めることで、自発的な安全行動に導くことができます。解る言葉やその気になる言葉を使いこなしながら、バランス化をねらいます。

       

      (5)LABプロファイル(言語と行動プロファイル)の活用

      LABプロファイルは、人々の思考や動機のパターンを特定し、最適なコミュニケーション方法を選択するためのツールです。物質タスク型マネジメントでは、従業員がどの言語パターンに反応するかを理解し、それに基づいて安全ルールの伝達方法を改善します。人間重視型マネジメントでは、従業員の動機づけパターンを理解し、それに合わせた言葉や文脈を使いこなします。これは、リーダーの説明力と説得力を高め、職場チームの安全意識とモチベーションを高めることができます。

      • バランスを取る
      • 心理的安全コーチングとNLP
      • 意識の高いメンバーによる継続的改善

       

      ゼロ災をねらうにはバランス化が大切です。労働安全衛生の向上と従業員の生産性が最大化される職場環境を目指しましょう。

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      注. NLP( 神経言語プログラミング ):コミュニケーションを磨くために、 多くのビジネスパーソンが学んでいるのが NLP( 神経言語プログラミング )です。NLP では、 脳の言語処理パターンをカテゴリー分けされており、 なんと約 150 個あります。この 150 個のカテゴリーをシッカリと学び、 使いこなすことができれば、 究極の説明力と説得力を手に入れることができます。そう、 150 個を使いこなせればの話です。学問というのは、 時には残酷で「 これを学べば完璧! 」という知識体系も、 あまりにも複雑すぎたり、 理論ばかりで仕事や生活の実践で使えないケースが少なくありません。

       

      そこで、 150 個のカテゴリーを最小数まで絞り込み、 実践的に使えるよう整理された知識体系が LABプロファイル® 注1.なのです。LABプロファイル®では、 150 個のカテゴリー を 14 個のカテゴリーに整理し、 より学びやすくなっております。

       

      注1.LABプロファイル®:脳のプログラムに該当するプログラムは、メタプログラムと呼ばれていますが、67個のプログラムがその研究からわかっています。また、文献よっては、メタ・メタ・プログラムというさらに詳細に分けられた研究結果も発表されていて、その数は、なんと!154個にもなります。ロジャー・ベイリーは、これらを日常で実用的に使うためにはという考えで整理を進め、14個のメタプログラムを理解し応用することで、相手のモダリティーやサブモダリティー形成にストレス無く対話を進めることができるようにしました。この、実用的で効果的な知識体系が LABプロファイル® です。 LABプロファイル® は、言葉の魔術を使いこなす、シェリー・ローズ・シャーベイにより、書籍「影響言語で人を動かす」で全世界に発信されています。

       

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      この記事の著者

      坂田 和則

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