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◆ 上流設計とは?なぜ重要なのか
日本の製造業は、高い技術力と品質管理で世界的に高い評価を得てきました。しかし近年、グローバル競争の激化や国内市場の縮小、熟練技術者の高齢化と若手人材の不足など、様々な課題に直面しています。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響によるサプライチェーンの混乱や、原材料価格の高騰など、製造業を取り巻く経営環境は厳しさを増しています。こうした中で、製品開発力の強化と効率化は喫緊の課題と言えるでしょう。特に製品開発において重要なのが、上流設計です。製品開発プロセスは一般に図1[1]のようになっており、このうち、上流設計は製品の企画構想から概念設計までの段階を指します。製品の根幹に関わる重要な意思決定が、この上流設計で行われるのです。上流設計の質が、その後の詳細設計や製造の効率、ひいては製品の品質やコストに大きな影響を与えます。日本の製造業が今後も競争力を維持・強化していくためには、製品開発における上流設計の改善が不可欠と言えるでしょう。今回は「製品開発における上流設計の重要性とDfX」について、3回にわたって解説します。
図1.製品開発プロセス