深いレベルでの原因追求と、問題解決の質が向上する「一般化」と「なぜなぜ分析」

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深いレベルでの原因追求と、問題解決の質が向上する「一般化」と「なぜなぜ分析」とは

【目次】

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    私たちリーダーは、日々の業務の中で、問題に直面し解決策を模索する機会が多いかと思います。私は「なぜなぜ分析」のセミナー講師として、根本原因を追求するプロセスについて、多くの受講生と共に学び歩んできました。しかし、時折「なぜなぜ分析」の手法だけでは、解決できない課題に直面することがあります。問題解決には複雑な要因が絡み合うため、単純な原因追求だけでは解決に至らないことが多いです。そんな時、役立つのがNLP(神経言語プログラミング)における「一般化」の考え方です。今回は、リーダーとして問題解決に取り組む際に、この「一般化」の概念を活用し、どのようにして視点を広げ、問題解決の新たな気付きを得るかについて、解説します。特に「なぜなぜ分析」との組み合わせによって、問題解決の深い理解を促進する方法について解説します。

     

    1. NLPとは?

    NLP(神経言語プログラミング)注.ついて簡単に説明します。NLP(Neuro-Linguistic Programming)は、神経(Neuro)と、言語(Linguistic)、プログラミング(Programming)という、3つの要素を組み合わせた心理学の一分野です。NLPは、思考や感情、行動のパターンを理解し、それらを意識的に変化させることで、人々がより良い結果を得るための技法です。もともとは、セラピーやコミュニケーションの分野で発展しましたが、現在ではビジネスの現場でも、リーダーシップや問題解決のツールとして広く活用されています。

     

    2. 現実を整理してパターン化するためのプロセス「一般化」 

    NLPの概念の一つである「一般化」は、人間が複雑な現実を整理し、パターン化するためのプロセスを指します。これを問題解決の手法として応用することで、あなたやチームのメンバー達は、より広い視野で問題にアプローチすることができ、真の根本原因にたどり着くことが可能になります。

    (1)一般化とは何か?

    NLPにおける「一般化」とは、個別の経験や現象を抽象化し、より広いパターンや法則として捉えることです。例えば「この業界では常にこういう問題が起こる」「私たちのチームはいつもこうだ」というように、目の前にある課題の他に、一般的に行われている行動や規範など、多くの人が捉えているモノゴトが該当します。また、一般化には、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。

     

    ポジティブな側面では、過去の経験を基に効果的な解決策を見出すことができます。一方、ネガティブな側面では、過去の失敗に縛られて、新しい可能性に気付けないという危険性が伴います。この両面を理解し、適切に活用することが、問題解決の重要な鍵となります。

     

    3. なぜなぜ分析との組み合わせで新たな視点を

    私は、なぜなぜ分析の講師として、受講生に「なぜ?を五回繰り返すという方法は都市伝説だ!」と伝えています。多くの受講生は「なぜ?は五回繰り返すと原因にたどり着く」といった一般化が起きているようです。問題解決するには、その規模...

    深いレベルでの原因追求と、問題解決の質が向上する「一般化」と「なぜなぜ分析」とは

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      私たちリーダーは、日々の業務の中で、問題に直面し解決策を模索する機会が多いかと思います。私は「なぜなぜ分析」のセミナー講師として、根本原因を追求するプロセスについて、多くの受講生と共に学び歩んできました。しかし、時折「なぜなぜ分析」の手法だけでは、解決できない課題に直面することがあります。問題解決には複雑な要因が絡み合うため、単純な原因追求だけでは解決に至らないことが多いです。そんな時、役立つのがNLP(神経言語プログラミング)における「一般化」の考え方です。今回は、リーダーとして問題解決に取り組む際に、この「一般化」の概念を活用し、どのようにして視点を広げ、問題解決の新たな気付きを得るかについて、解説します。特に「なぜなぜ分析」との組み合わせによって、問題解決の深い理解を促進する方法について解説します。

       

      1. NLPとは?

      NLP(神経言語プログラミング)注.ついて簡単に説明します。NLP(Neuro-Linguistic Programming)は、神経(Neuro)と、言語(Linguistic)、プログラミング(Programming)という、3つの要素を組み合わせた心理学の一分野です。NLPは、思考や感情、行動のパターンを理解し、それらを意識的に変化させることで、人々がより良い結果を得るための技法です。もともとは、セラピーやコミュニケーションの分野で発展しましたが、現在ではビジネスの現場でも、リーダーシップや問題解決のツールとして広く活用されています。

       

      2. 現実を整理してパターン化するためのプロセス「一般化」 

      NLPの概念の一つである「一般化」は、人間が複雑な現実を整理し、パターン化するためのプロセスを指します。これを問題解決の手法として応用することで、あなたやチームのメンバー達は、より広い視野で問題にアプローチすることができ、真の根本原因にたどり着くことが可能になります。

      (1)一般化とは何か?

      NLPにおける「一般化」とは、個別の経験や現象を抽象化し、より広いパターンや法則として捉えることです。例えば「この業界では常にこういう問題が起こる」「私たちのチームはいつもこうだ」というように、目の前にある課題の他に、一般的に行われている行動や規範など、多くの人が捉えているモノゴトが該当します。また、一般化には、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。

       

      ポジティブな側面では、過去の経験を基に効果的な解決策を見出すことができます。一方、ネガティブな側面では、過去の失敗に縛られて、新しい可能性に気付けないという危険性が伴います。この両面を理解し、適切に活用することが、問題解決の重要な鍵となります。

       

      3. なぜなぜ分析との組み合わせで新たな視点を

      私は、なぜなぜ分析の講師として、受講生に「なぜ?を五回繰り返すという方法は都市伝説だ!」と伝えています。多くの受講生は「なぜ?は五回繰り返すと原因にたどり着く」といった一般化が起きているようです。問題解決するには、その規模や複雑さによって、なぜ?を七回も八回も繰り返さなければなりません。逆に、なぜ?が三回や四回で終わってしまうケースもあるのですが「五回!」という心理的縛りに捉われていると、ゴールにたどり着けません。このような場合、リーダーは「五回繰り返す!」ことに固執するのではなく「一般化」の視点を持ち、問題をより広く捉えることが重要です。

       

      例えば、特定のプロジェクトが繰り返し遅延する、という問題があったとします。

      なぜなぜ分析では「スケジュールの見積もりが甘い」「コミュニケーション不足」といった原因が出てくるかもしれません。しかし、一般化の視点を取り入れると「プロジェクト管理全般に問題があるのではないか?」や「組織文化として報告や進捗管理が十分ではないのでは?」といった、より包括的な視点が得られます。これにより、広い視野を使った根本的な原因が見えてくる可能性が高まるのです。 

      関連解説記事:なぜなぜ分析のリスキリング 【厳選記事】

       

      4. 「一般化」を活用する3つのステップ

      それでは、リーダーが「一般化」をどのようにして問題解決に活用しているのか、具体的な3つのステップを紹介します。

      (1)現象を広い視点で捉える

      最初のステップは、現象そのものを抽象化し、広い視点で捉えることです。具体的な問題に対して「この問題は他の場面でも見られるか?」「同じような問題が他のプロジェクトやチームでも起きているか?」と自問自答することが重要です。この質問によって、単一の事象に囚われることなく、問題の全体像を理解することができます。

       

      例えば、あるチームでコミュニケーション不足によってミスが発生した場合、そのチーム固有の問題として捉えるのではなく「他のチームでも同じような問題がないか?」と広く問いかけることで、組織全体のコミュニケーションに関する課題が浮き彫りになることがあります。

       

      (2)過去の経験を活かしてパターンを見つける

      次に、過去の経験を活かし、パターンを見つけることも重要です。問題は個別に発生しているように見えても、その背後には共通するパターンが存在するかもしれません。一般化の考え方を使うことで、過去の事例を抽象化し、現在の問題に適用できるパターンを見出すことができます。

       

      例えば、複数のプロジェクトで似たようなミスが発生している場合、その原因が個々のミスではなく、プロジェクト全体の進め方やルールなど、パターン化された問題にある可能性があります。

       

      過去の失敗をもとに、必要な改善策を抽象化し、パターンとして捉えることで、広範な解決策を見つけることができます。

       

      (3)具体的な行動に落とし込む

      最後に、抽象化した問題を具体的な行動に落とし込みます。一般化の概念は問題を広く捉えるのに有効ですが、それを具体的なアクションに変換しなければ、実際の解決には繋がりません。リーダーとしては、一般化した考え方を、現場の具体的な改善策に落とし込む必要があります。

       

      例えば、組織全体でコミュニケーションの問題があると分かった場合、それを解決するために、具体的なコミュニケーションツールの導入や、定期的なミーティングの設定、報告フローの見直しなど、実践的な改善策を講じる必要があります。

       

      ここで重要なのは、単に問題を抽象化するだけで終わらせず、それを解決するための行動計画を立てることです。

       

      5. 「一般化」のリスクとその回避法

      ここで注意すべきは、一般化にはリスクが伴うということです。過度に一般化してしまうと、問題の本質を見失い、表面的な解決策しか見えなくなることがあります。

       

      例えば、特定の失敗が「組織全体の文化の問題だ」と一般化し過ぎてしまうと、具体的な行動に落とし込むことが難しくなります。このような場合、抽象化しすぎた視点をもう一度具体的なレベルに戻し、現場での対応を検討することが大切です。時には、視野を広めたりすることも大切です。 

      (1)回避法

      一般化のリスクを回避するためには、抽象化と具体化のバランスを取ることが重要です。具体的には、以下の方法を活用できます。

      • 事例に基づく反復検討・・・一般化した内容を、具体的な事例に戻して再度確認することで、現実に即した解決策を導き出せます。
      • 多角的な視点を取り入れる・・・リーダーとして、チームメンバーや他の部署の意見を取り入れ、広い視点で問題を捉えると同時に、具体的な現場の声を反映させることが大切です。

       

      6. 問題解決の幅を広げる「一般化」の力

      「一般化」の考え方を取り入れることで、リーダーは問題解決において視野を広げ、新たな気付きや解決策を得ることができます。特に、なぜなぜ分析と組み合わせることで、より深いレベルでの原因追求が可能となり、問題解決の質が向上します。日常的な問題に対して、ただ現象を分析するだけでなく、広い視点で捉え、共通するパターンを見つけ、具体的な行動に落とし込む力を身に付けることで、リーダーシップの強化にもつながります。 

      • 問題解決には、一般化をうまく使う。
      • テクニックと心理を合わせてみる。
      • なぜ?を五回繰り返せは、都市伝説です。

      より深いレベルの原因追求を進めながら、問題解決の質を向上させましょう。

       

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      注. NLP( 神経言語プログラミング ):コミュニケーションを磨くために、 多くのビジネスパーソンが学んでいるのが NLP( 神経言語プログラミング )です。NLP では、 脳の言語処理パターンをカテゴリー分けされており、 なんと約 150 個あります。この 150 個のカテゴリーをシッカリと学び、 使いこなすことができれば、 究極の説明力と説得力を手に入れることができます。そう、 150 個を使いこなせればの話です。学問というのは、 時には残酷で「 これを学べば完璧! 」という知識体系も、 あまりにも複雑すぎたり、 理論ばかりで仕事や生活の実践で使えないケースが少なくありません。

       

      そこで、 150 個のカテゴリーを最小数まで絞り込み、 実践的に使えるよう整理された知識体系が LABプロファイル® 注1.なのです。LABプロファイル®では、 150 個のカテゴリー を 14 個のカテゴリーに整理し、 より学びやすくなっております。

       

      注1.LABプロファイル®:脳のプログラムに該当するプログラムは、メタプログラムと呼ばれていますが、67個のプログラムがその研究からわかっています。また、文献よっては、メタ・メタ・プログラムというさらに詳細に分けられた研究結果も発表されていて、その数は、なんと!154個にもなります。ロジャー・ベイリーは、これらを日常で実用的に使うためにはという考えで整理を進め、14個のメタプログラムを理解し応用することで、相手のモダリティーやサブモダリティー形成にストレス無く対話を進めることができるようにしました。この、実用的で効果的な知識体系が LABプロファイル® です。 LABプロファイル® は、言葉の魔術を使いこなす、シェリー・ローズ・シャーベイにより、書籍「影響言語で人を動かす」で全世界に発信されています。

       

       

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      この記事の著者

      坂田 和則

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