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1. 食用油脂・脂質は食品中の「ラスボス」なのか
「酒類以外で油脂・脂質を含まない食品はどれくらいありますか?」私が講演やセミナーで時々、受講されている方に聞く質問です。今のところ一件だけ答えて頂き、その答えは「コーラ」でした。確かに意図して油脂を配合していないので含まれないでしょう。では他にはあるのでしょうか。
私が一つだけ用意している答えは「出汁」です。しかしその「出汁」も魚油の酸化分解物が、好ましい風味に貢献していることはよく知られているところです。そのため、まったく無関係ということではありません。
このように、むしろ油脂・脂質を含まない食品は非常に少ないのです。それでは、油脂・脂質は食品中でどのような影響を与えるのでしょうか。
2. 酸化分解物
ここで「酸化分解物」の話に触れていきましょう。
油脂・脂質は低温でも酸素と触れていれば酸化していきます。これを「自動酸化」といいます。熱が加われば当然、酸化速度が速くなり著しく劣化します。温度が10℃上昇するとその酸化速度は2倍になるといわれています。同様に、光を受けている時の酸化・劣化も著しいです。その際に生じる酸化分解物であるアルデヒド類...