極意:生産品質管理の基本 

更新日

投稿日

極意:生産品質管理の基本 

 

 別稿で書きましたように、イノベーション成功の第一歩として、①既存の何もの(知識、経験、地位、栄光など)にも捉われず、②既存のビジネスがどんな“目的指標”で運営されていて、③それが将来どのような姿になるか、④世界的な視野で情報を集め、想定外も想定して自由な発想で考察するプログラムについて書きました。今回、その続きの⑤ビジネスが永続的に発展するようなイノベーションを実現するための“目的指標”を見つけて、⑥それを具現化する、というプログラムについて書く予定にしていましたが、その前にすべき重要な活動がありますので、それについて先に解説することに致します。
  
 
 それはカイゼンです。多くの方が、「何だ‘改善’か、そんなもの何時もやってるよ」と言われますが、本当に効果的に進めておられるでしょうか?
 
 別稿で書きましたように、相模屋とうふの話(※別稿:事例で記述)を覚えておられるでしょうか。鳥越氏が、「出来ない」「ムリ、ムリ」という関係者の大合唱を説得して第一歩を進めることが出来たのは、彼が社長になってから積み上げてきたカイゼンの結果なのです。何とか売上を伸ばそうとしてきた結果として品数が多くなり、あちこちにムダが出ている状態だったのを、徹底してムダ取りをしてコストを削減し収益を向上させていたのです。この実績が、社内的にも社外的にも、「鳥越社長にの言うことを信用しても大丈夫だろう」という空気をかもし出すことになったのです。
 
 
 近年、カイゼンとかリーン生産方式(トヨタ生産方式のアメリカ版)が生産管理や品質管理を向上させる特効薬のようにが世界に広まっていますが、日本ではどうでしょうか。生産管理や品質管理を向上させるニーズは日本の企業のも大いにあります。これらを向上させて、品質向上とコスト削減を実現する必要があるからです。では、カイゼンとかリーン生産方式はそのまま特効薬になるでしょうか。そこには、これらをうまく使うコツがあるのです。筆者のモットー“頭と技法(道具)は使いよう”です。
  
 
 その要点は、“クリティカル・イッシュー(重点課題)”を選んで、“モデル・エリア(製品・プロセス)”で集中的に取り組む“実践的アプローチ”と、これに続く“効果的な問題発見5つのカギ”と“効果的な問題解決5つのカギ”からなる“生産品質管理の基本”です。
  
 “効果的な問題発見5つのカギ”は、①層別、②工程分析、③作業分析、④3現、⑤3ムであり、“効果的な問題解決5つのカギ点”は、①ベスト・コンディション、②流れる生産、③価値ある作業、④見える管理、⑤PDCAです。
  
 
 上記の要点...

極意:生産品質管理の基本 

 

 別稿で書きましたように、イノベーション成功の第一歩として、①既存の何もの(知識、経験、地位、栄光など)にも捉われず、②既存のビジネスがどんな“目的指標”で運営されていて、③それが将来どのような姿になるか、④世界的な視野で情報を集め、想定外も想定して自由な発想で考察するプログラムについて書きました。今回、その続きの⑤ビジネスが永続的に発展するようなイノベーションを実現するための“目的指標”を見つけて、⑥それを具現化する、というプログラムについて書く予定にしていましたが、その前にすべき重要な活動がありますので、それについて先に解説することに致します。
  
 
 それはカイゼンです。多くの方が、「何だ‘改善’か、そんなもの何時もやってるよ」と言われますが、本当に効果的に進めておられるでしょうか?
 
 別稿で書きましたように、相模屋とうふの話(※別稿:事例で記述)を覚えておられるでしょうか。鳥越氏が、「出来ない」「ムリ、ムリ」という関係者の大合唱を説得して第一歩を進めることが出来たのは、彼が社長になってから積み上げてきたカイゼンの結果なのです。何とか売上を伸ばそうとしてきた結果として品数が多くなり、あちこちにムダが出ている状態だったのを、徹底してムダ取りをしてコストを削減し収益を向上させていたのです。この実績が、社内的にも社外的にも、「鳥越社長にの言うことを信用しても大丈夫だろう」という空気をかもし出すことになったのです。
 
 
 近年、カイゼンとかリーン生産方式(トヨタ生産方式のアメリカ版)が生産管理や品質管理を向上させる特効薬のようにが世界に広まっていますが、日本ではどうでしょうか。生産管理や品質管理を向上させるニーズは日本の企業のも大いにあります。これらを向上させて、品質向上とコスト削減を実現する必要があるからです。では、カイゼンとかリーン生産方式はそのまま特効薬になるでしょうか。そこには、これらをうまく使うコツがあるのです。筆者のモットー“頭と技法(道具)は使いよう”です。
  
 
 その要点は、“クリティカル・イッシュー(重点課題)”を選んで、“モデル・エリア(製品・プロセス)”で集中的に取り組む“実践的アプローチ”と、これに続く“効果的な問題発見5つのカギ”と“効果的な問題解決5つのカギ”からなる“生産品質管理の基本”です。
  
 “効果的な問題発見5つのカギ”は、①層別、②工程分析、③作業分析、④3現、⑤3ムであり、“効果的な問題解決5つのカギ点”は、①ベスト・コンディション、②流れる生産、③価値ある作業、④見える管理、⑤PDCAです。
  
 
 上記の要点も、成果を上げるには、正しい理解と使い方の工夫が必須ですので、そのコツについては、稿を改めて事例紹介で披露させていただくことに致します。筆者とそのグループは、これらを活用することによって生産品質管理の様々な場面で貢献しております。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

鈴木 甫

「生き残る」のは “強いもの” でも “賢いもの”でもなく「変化に対応できるもの」!「ポストコロナ『DX』の激変する環境に対応する企業支援」に真剣に取り組んでいます!            E-mail: h.suzuki@dr-practice.com

「生き残る」のは “強いもの” でも “賢いもの”でもなく「変化に対応できるもの」!「ポストコロナ『DX』の激変する環境に対応する企業支援」に真剣に取り組...


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
中国企業改善指導のポイント 中国工場の品質改善(その76)

 前回のその75に続いて解説します。 【第5章】中国企業改善指導のポイント 1、取引先に動いてもらうには  (1)(2)は、その75に記載してい...

 前回のその75に続いて解説します。 【第5章】中国企業改善指導のポイント 1、取引先に動いてもらうには  (1)(2)は、その75に記載してい...


工場の入りと出の物流を見直す レイアウトと物流(その3)

  1.工場の入り口と出口の改善は遅れている 工場改善の主な焦点は、目につく加工部門や組立部門に集中しています。また構内物流も工程間のつ...

  1.工場の入り口と出口の改善は遅れている 工場改善の主な焦点は、目につく加工部門や組立部門に集中しています。また構内物流も工程間のつ...


人手不足への対処方法 儲かるメーカー改善の急所101項(その41)

3.仕組みを改善する基本 ◆ 人手不足への対処方法  ほんの少し前までは、少子高齢化による人手不足が大きな社会問題であり、それまで当たり前であった...

3.仕組みを改善する基本 ◆ 人手不足への対処方法  ほんの少し前までは、少子高齢化による人手不足が大きな社会問題であり、それまで当たり前であった...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
地域によって差がある作業者レベル 中国企業の壁(その13)

1. 地域によって差がある作業者レベル  品質管理を支援していた厦門の中国企業には、天津に分工場がありました。本工場はアルミ製品、天津工場は鉄の加工...

1. 地域によって差がある作業者レベル  品質管理を支援していた厦門の中国企業には、天津に分工場がありました。本工場はアルミ製品、天津工場は鉄の加工...


多能工育成の手順

 多能工の育成手順について考察してみます。  「多能工化、進めないといけないのはわかっちゃいるけど、なかなかうまく進まないな」という企業は大変多いと思い...

 多能工の育成手順について考察してみます。  「多能工化、進めないといけないのはわかっちゃいるけど、なかなかうまく進まないな」という企業は大変多いと思い...


人材マネジメント 伸びる金型メーカーの秘訣 (その6)

 伸びる金型メーカーの秘訣 (その6)で取り上げるメーカーは、愛知県にあるD社です。同社は、旋盤加工を中心にマシニングによるフライス加工や放電加工まで幅広...

 伸びる金型メーカーの秘訣 (その6)で取り上げるメーカーは、愛知県にあるD社です。同社は、旋盤加工を中心にマシニングによるフライス加工や放電加工まで幅広...