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1.直交表の水準が余る時
L9やL27などの3水準系直交表やL18直交表の3水準列を使う場合、どうしても2つしか水準がない因子があります。例えば「表と裏」「カバーありとなし」などです。 この場合「ダミー法」と呼ばれる方法を使い、(1,2,3)の代わりに、2水準を(1,2,2)あるいは(1,1,2)と割り付けます。下の表の左は通常のL9直交表で、右はD列の第3水準に第1水準を当てた例です。
3水準中の2水準を割り付けるのは、より詳しく調べたい方の水準です。つまり表と裏で表がより良い結果が期待でき、他の因子との組合せをより正確に知りたいならば、3水準に(表、表、裏)と割り付けます。
市販の解析ソフトではダミー法を標準的に解析してくれますから、深い知識がなくとも簡単に使うことができます。 ただし本来3水準を評価できるところを2水準しか使わない訳ですから、実験効率は下がります。カバーの例でいえば「カバーなし、カバーA、カバーB」あるいは「カバー全開、半開、全閉」などと3水準で使うことを優先して考えてください。
2.より多い水準で直交表実験したい時
L8,L16,L32…など2のべき乗の2水準系直交表では、3列を統合して4水準を割り付けることが可能です。下図は通常のL8直交表と4水準因子を一つ組み込んだL8直交表の例です。
ご覧のように4水準因子ひとつのために3列を使用します。どの3列でも良いわけではなく、任意の2列とその2列の交互作用列を使う必要があり、特に問題がなければ覚えやすく隣り合っている1,2,3列を使うのが分かりやすいでしょう。L8直交表でこの関係が成り立つ2組の3列は存在しないので、4水準因子は一つしか割り付けることができません。
2水準系の直交表に3水準を割り付けるには、3列を使って一旦4水準をつくり、そのうちの3水準を第一項で説明したダミー法で使います。
L16以上の直交表であれば7列を使った8水準も作れますが、多くの因子効果を知るという直交表本来の使い方としては、かなり特殊なものでしょう。
またL18直交表では、2水準列と3水準の1列を組み合わせて、下表のように6水準の要因を一つ割り付けることが可能です。
これはもともとL18直交表の自由度が二つ余っていることで可能になるものです。
このようにして基本以外の水準数で実験する事も可能ではありますが、特定の因子だけむやみに水準数を増やすことは実験のバランスを崩しますので、ほどほどにして使いましょう。