「進化のトレンド」とは、キーワードからわかりやすく解説
1. 「進化のトレンド」とは
アルトシュラーらは多くの特許、発明を整理していくうちに、技術の進歩にもいくつかの典型的なパターンがある事に気づきました。 これを整理したものは技術進化のトレンドと名づけられ、現在の技術がトレンドのどの位置に属するかを考える事で、次の進化方向を予見する事ができます。 当初は8パターンでしたが、後世の追加により現在では14とも35とも言われます。パターンが増えてくると、発明原理との差異が分かりにくく、パターンの選択が難しくなります。
2. 「進化のトレンド」活用のポイント
この法則は、商品の寿命サイクルやS字カーブと同じように、あるパターンに沿って進化していきます。技術進化のトレンドの方向性を把握することで、自分が開発している技術が現在はどの段階にあり、今後はどうなるか予測も可能となります。そしてそれをヒントとして、さらに新しい発明に結びつけることができるようになります。まだ現在は不可能な技術であっても、ブレイクスルーによって実現可能性が高くなります。それが革新的な技術につながれば良いわけです。
進化パターンを構築する際には、情報の抽象化の度合いを判断することが大変重要です。あまり具体化し過ぎると、互いにほとんど差のない解決策となってしまいます。一方抽象化し過ぎて、あまりにも曖昧な解決策になってしまう傾向も見受けられます。
3. 「進化のトレンド」、技術システムが進化するとは
技術システムが進化するとはどういうことでしょうか。まずは、技術の目的について考えてみましょう。技術システムは必ず何かの目的を持って存在しています。たとえば、掃除機の目的は「床の埃を吸い取る」でしょう。洗濯機の目的は「衣類に付いた汚れを落とす」です。洗濯機で考えると、最初は軽微な汚れしか落とせなかったはずですが、それらがいろいろな汚れでさえも落とせるように進化していったと考えられます。すなわち、技術システムの進化とは、“目的(=主機能)の強化”の歴史という事ができるのです。
では、進化の「最終の姿」はどうなるのでしょう。TRIZ(トゥリーズ)では、あるシステムが進化した最後の姿を“究極の理想解”といいます。TRIZ(トゥリーズ)における技術システム進化のトレンドの最も基本的な法則は、「すべてのシステムは理想性が増大する方向に進化する」です。あみだくじを引くとき、最も早く当りの軸を見つける方法は当りから逆に辿っていくことです。あるいは、試験勉強をするときに、「答えを見てから問題を解く」ことと似ています。つまり、このシステムのゴール(究極の姿=理想解)は何なのかを明確にし、現時点でなぜそれが実現できていないのかを考えることが、戦略的な技術開発への指針となるはずなのです。
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