「安全設計手法」とは、キーワードからわかりやすく解説

 

1. 「安全設計手法」とは

安全設計手法は多々提案されていますが、フールプルーフ、フェイルセイフはその代表でしょう。 フールプルーフは、危険な行動をしようとしてもできない構造に設計することで、フェイルセイフはトラブル発生時に設備が安全側に動作、停止する仕組みです。フールプルーフの英訳を行うと「簡単」という意味になります。何も知識が無い人が使用しても問題ないように証明されていること、詳細な使用用途を理解していない、もしくは間違った使用方法を行っても問題が起こらないような設計のことを指します。

 

2.  「安全設計手法」の考え方の重要性

生産性向上を狙うには、ムダの排除が挙げられますが、さらにリードタイム短縮も不可欠です。ムダとそのリードタイムを長くしている要因の1つに、工程内の不良・手直しが数多く発生していることが挙げられます。その要因として、ヒューマンエラーと言われるポカミスやヒヤリハットなど、気がかり因子の対策が取れないまま放置されているのです。故障時に信号が出て動作しブレーキがかかり安全が確保されるなど、1つひとつがたわいもないことのゆえに、毎日繰り返され気づかなくなっているのが危険な要因と考えます。

 

それが積み重なるとハインリッヒの法則のごとく、次第に大きなミスや事故になり、やがて市場でのクレームに陥っています。そのために、現場では不良対策が十分に取られないまま綱渡りのような生産活動が行われています。ポカミスやヒヤリハットをなくには、前述の安全設計手法、フールプルーフ、フェールセーフの考え方が重要になります。

 

3. フールプルーフとは

使用者が誤った使い方(誤使用)をしても、安全性や信頼性を確保する設計の考え方がフールプルーフです。3ステップメソッドに従えば、まず優先すべきは危害の程度を低減することです(多くの場合、フールプルーフによって危害の程度を低減することはできません)危害の程度を十分に低減することは、難しいことが多いのが現実です。また、製品事故の多くは使用者の誤使用に起因します。したがって、使用者の誤使用に対応するフールプルーフは製品安全を確保する上で、フェールセーフと並んで重要な手法です。フールプルーフは身の回りの製品で、頻繁に目にすることができます。

 

4. フェールセーフとは

製品が故障した時に、安全側の状態となるようにする設計の考え方がフェールセーフです。多くの製品で「安全側の状態≒機能停止」を意味します。フェールセーフを理解するためには、身の回りの製品の事例を知ることが一番の近道です。

 


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