物流LPIランキング 私たちの物流実力値(その2)
2018-08-27
今回は、世界銀行のLPI「Logistics Performance Index」ランキングについて確認していきましょう。その前に皆さんは日本の物流は世界の何位くらいだと思いますか?
素直に考えると日本の物流は品質的に見てもサービス的に見ても悪いと思う人は少ないのではないでしょうか。
コスト的にもそれほど高いとは感じません。多分大多数の方は日本の物流に大きな不満はなく、レベルも高いと感じているのではないかと推測します。
海外で仕事や生活をしたことが無い人は比較のしようがありませんので、今感じていることがそのままの物流実力値評価となります。
しかし日本のサプライチェーンはすでにグローバル化していますので、私たちはやはり世界の中の日本の物流の位置づけは認識しておかなければなりません。
LPI「Logistics Performance Index」ランキング2016年度版によれば、日本は調査対象160カ国中12位です。欧米を中心としてスコアが上昇する一方、日本はスコアが伸び悩み、相対的に順位が低下しました。
前回調査の2010年度版では日本は7位でしたから、かなり低下してしまったと言えそうです。
ちなみに1位はドイツ、2位はルクセンブルク、3位はスウェーデンでした。いずれもヨーロッパの国ですね。納得いく結果だと言えそうです。では主要な国における要素別スコアをいくつか確認してみましょう。
「納期を遵守する度合い」で日本のスコアは4.21でした。一方でドイツが4.45、イギリスが4.33、アメリカが4.25です。なんとなく日本は時間を守ることに優れている感覚はありますが、他の主要国に比べるとまだ負けているという結果です。
「物流事業者が提供するサービスの競争力・品質」ではどうでしょうか。日本のスコアは3.99です。一方でドイツは4.28、イギリスが4.05、アメリカが4.01です。
この項目でも日本は主要国間で負けています。この結果はそうかな、と納得できそうです。日本の物流事業者はまだまだ国際間競争では他国に太刀打ちできません。品質レベルもまだまだ改善の余地はありそうです。
「様々な輸送手段の低廉な費用での提供度合い」を確認してみましょう。日本は3.69です。一方ドイツは3.86、イギリスが3.77、アメリカが3.65です。
物流コストですが、決して日本は高いとは思いませんが、主要国に比較するとアメリカよりは勝っていますが、他国にはまだ負けているということです。いかがでしょうか。国内だけで判断するとそれほど不満はなさそうですが、国際比較してみるとまだまだ修正していかなければならない点は多々あるということです。
次回に続きます。