物流工程に中で注目すべき箇所 自社物流の実態を知る(その3)

投稿日

 
  SCM
 
 物流の要因系の項目に着目することは重要です。ものづくりやもの買い方、売り方などさまざまな要因に注目してみましょう。
 
 物流工程の中にも注目すべき箇所があります。まずは通路です。当然のことですが、工場でも倉庫でも通路は付加価値を生まないデッドスペースです。皆さんの会社では工場の何パーセントが通路になっていますでしょうか。倉庫の中ではいかがでしょうか。物流が仕事をするために通路が必要になるわけですが、それを取ればとるほど付加価値エリアを圧迫します。
 
 工場でいえば生産工程のエリアを極力確保したいわけですし、倉庫では保管エリアを確保したいのです。しかし通路を一本引いてしまえば、そのエリア分だけ付加価値エリアが縮まります。
 
 次に保管エリアで注目すべき箇所があります。それは「高さ方向の活用度」です。大抵の倉庫では屋内高さは6m程度です。それだけの高さがある意味は、ものを積み重ねて有効にスペースを使うことにあります。この視点で一度倉庫の中を眺めてみて下さい。
 
 倉庫の中を眺めた「その瞬間」にどれだけ高さを活用できているかがわかります。平均的な積み重ね高さに注目します。多くの倉庫で高さの半分はおろか3分の1も使われていないことに気づくでしょう。よく構内倉庫に置ききれないので外部倉庫を借りるという話が出ます。このようなケースでも意外と構内倉庫を有効に使っていないものです。
 
 物流作業者の活用についても注目してみましょう。それぞれの作業者は一日の内何時間働いているでしょうか。よく物流は定型的作業ではないので、なかなか作業を標準化しづらいという話が出てきます。でもそれは本当でしょうか。
 
 作業者をサイクリックに動かせる工夫をしているでしょうか。その工夫をせずに、行き当たりばったりで仕事をさせていたとしたらロスの塊になりかねません。物流作業者...
 
  SCM
 
 物流の要因系の項目に着目することは重要です。ものづくりやもの買い方、売り方などさまざまな要因に注目してみましょう。
 
 物流工程の中にも注目すべき箇所があります。まずは通路です。当然のことですが、工場でも倉庫でも通路は付加価値を生まないデッドスペースです。皆さんの会社では工場の何パーセントが通路になっていますでしょうか。倉庫の中ではいかがでしょうか。物流が仕事をするために通路が必要になるわけですが、それを取ればとるほど付加価値エリアを圧迫します。
 
 工場でいえば生産工程のエリアを極力確保したいわけですし、倉庫では保管エリアを確保したいのです。しかし通路を一本引いてしまえば、そのエリア分だけ付加価値エリアが縮まります。
 
 次に保管エリアで注目すべき箇所があります。それは「高さ方向の活用度」です。大抵の倉庫では屋内高さは6m程度です。それだけの高さがある意味は、ものを積み重ねて有効にスペースを使うことにあります。この視点で一度倉庫の中を眺めてみて下さい。
 
 倉庫の中を眺めた「その瞬間」にどれだけ高さを活用できているかがわかります。平均的な積み重ね高さに注目します。多くの倉庫で高さの半分はおろか3分の1も使われていないことに気づくでしょう。よく構内倉庫に置ききれないので外部倉庫を借りるという話が出ます。このようなケースでも意外と構内倉庫を有効に使っていないものです。
 
 物流作業者の活用についても注目してみましょう。それぞれの作業者は一日の内何時間働いているでしょうか。よく物流は定型的作業ではないので、なかなか作業を標準化しづらいという話が出てきます。でもそれは本当でしょうか。
 
 作業者をサイクリックに動かせる工夫をしているでしょうか。その工夫をせずに、行き当たりばったりで仕事をさせていたとしたらロスの塊になりかねません。物流作業者が標準スピードで仕事をしているか、無駄な手待ちが発生していないかについても調べてみましょう。
 
 いかがでしょうか。今まであまり注目されていなかった物流の実態が徐々に明らかになってきたのではないでしょうか。ここで見えてきた物流の実態については必ず経営層に情報として入れておきましょう。物流に関心を寄せることで明らかに会社の利益向上につながるはずです。ブラックボックスからの脱却を今から開始しましょう。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントの背景と効果実現に向けた考え方(その1)

1. サプライチェーン・マネジメントの狙い  サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management・以下SCM)は、ITシス...

1. サプライチェーン・マネジメントの狙い  サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management・以下SCM)は、ITシス...


サプライチェーンにおける収益向上のメカニズム

 オペレーションの連携、すなわちシンクロナイゼーションがサプライチェーンマネジメントの課題です。一般的なジャストインタイムの定義は、必要なものを、必要な時...

 オペレーションの連携、すなわちシンクロナイゼーションがサプライチェーンマネジメントの課題です。一般的なジャストインタイムの定義は、必要なものを、必要な時...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その5)

第5回 道具4「物流会社選定ツール」(中)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ3】候補会社評価表の作成 ...

第5回 道具4「物流会社選定ツール」(中)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ3】候補会社評価表の作成 ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
サプライチェーン全体を俯瞰する 誤解されがちな物流マンの知識(その3)

  ◆ 生産知識と環境知識  サプライチェーンの中にあってリードタイムといえば「生産リードタイム」も重要な要素の一つです。この生産リード...

  ◆ 生産知識と環境知識  サプライチェーンの中にあってリードタイムといえば「生産リードタイム」も重要な要素の一つです。この生産リード...


物流の論理からの転換 喜ばれる物流の創造(その1)

  ◆ ハンガー物流という発想  一昔前はテレビや雑誌などの一部で行われていた通信販売が、スマートフォンやPCで簡単に注文ができて、翌日...

  ◆ ハンガー物流という発想  一昔前はテレビや雑誌などの一部で行われていた通信販売が、スマートフォンやPCで簡単に注文ができて、翌日...


機密保持契約とは:物流契約の考え方(その1)

  ◆ 文書、データ、口頭情報にも秘密は含まれる  物流に限らず、すべての事業を行う際に重要になってくるのが「契約」です。当たり前のこと...

  ◆ 文書、データ、口頭情報にも秘密は含まれる  物流に限らず、すべての事業を行う際に重要になってくるのが「契約」です。当たり前のこと...