家族のひと言や行動が刺激になってひらめいた事例1.-編み機 、味の素 -

更新日

投稿日

 

1.せわしなく手を動かして編み物をする妻をながめているうちに、機械編み機を思いついた、イギリスの聖職者 ウィリアム・リーamimono

 
 ウィリアム・リーは16世紀から17世紀にかけて生きたイギリスの聖職者だが、発明家としても後世に名を残しています。
 
 ある日、リーは、かたわらでせっせと編み物をしている妻のようすを見るともなく見つめていました。一針ごとにせわしなく動く妻の手元をながめながらボンヤリと考えていたのは、一度で一列の編み目を自動的につくってしまうような編み機ができないものかということでした。
 
 そして思いついたのが、一本の大きな針のかわりに何百もの小さな鉤の列をつくって、一列分をいっぺんに編んでしまうという方法、つまり自動編み機です。
 
 

2.茶の間で昆布のうま味の話をしたことから、味の素を開発した、化学者 池田菊苗

 
 世界の食卓にポピュラーとなった味の素は、家庭の食卓で昆布のうま味が話題になったことから生まれました。
 
 
 明治4〇年の話である。東京大学教授の池田菊苗は茶の間で、夫人が買ってきた北海道産の昆布のうま味の話を聞いた。それをきっかけに、教授は昆布のうま味に注目し、さっそく大学の実験室で昆布の成分の分析を始めました。
 
 
 うま味は「グルタミン酸」であることがわかり、その結果は、味の素(商標登録)として製品化された「グルタミン酸ソーダ」の誕生となった。教授は、留学中にロンドンの下宿で夏目漱石...

 

1.せわしなく手を動かして編み物をする妻をながめているうちに、機械編み機を思いついた、イギリスの聖職者 ウィリアム・リーamimono

 
 ウィリアム・リーは16世紀から17世紀にかけて生きたイギリスの聖職者だが、発明家としても後世に名を残しています。
 
 ある日、リーは、かたわらでせっせと編み物をしている妻のようすを見るともなく見つめていました。一針ごとにせわしなく動く妻の手元をながめながらボンヤリと考えていたのは、一度で一列の編み目を自動的につくってしまうような編み機ができないものかということでした。
 
 そして思いついたのが、一本の大きな針のかわりに何百もの小さな鉤の列をつくって、一列分をいっぺんに編んでしまうという方法、つまり自動編み機です。
 
 

2.茶の間で昆布のうま味の話をしたことから、味の素を開発した、化学者 池田菊苗

 
 世界の食卓にポピュラーとなった味の素は、家庭の食卓で昆布のうま味が話題になったことから生まれました。
 
 
 明治4〇年の話である。東京大学教授の池田菊苗は茶の間で、夫人が買ってきた北海道産の昆布のうま味の話を聞いた。それをきっかけに、教授は昆布のうま味に注目し、さっそく大学の実験室で昆布の成分の分析を始めました。
 
 
 うま味は「グルタミン酸」であることがわかり、その結果は、味の素(商標登録)として製品化された「グルタミン酸ソーダ」の誕生となった。教授は、留学中にロンドンの下宿で夏目漱石と徹夜の文学論を交わし、漱石も大いに刺激を受けたというほどの博学と好奇心の持ち主だった。幅広い話題と議論をいつも家庭の食卓にも持ち込む人物でありました。
  
                出典:「ひらめきの法則」 髙橋誠著(日経ビジネス人文庫)

◆関連解説『アイデア発想法とは』

   続きを読むには・・・


この記事の著者

髙橋 誠

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!


「アイデア発想法一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
アイデア発想法 【連載記事紹介】

  アイデア発想法の連載記事が、無料でお読みいただけます! 【特集】連載紹介の一覧へ戻る ◆こんな方におすすめ!=アイデア発想法、多様...

  アイデア発想法の連載記事が、無料でお読みいただけます! 【特集】連載紹介の一覧へ戻る ◆こんな方におすすめ!=アイデア発想法、多様...


小集団活動でのアイデア出しとは

        今回は、アイデア勝負の問題解決について、手法など、アイデア出しとは何かを解説します。 &n...

        今回は、アイデア勝負の問題解決について、手法など、アイデア出しとは何かを解説します。 &n...


空間型アイデア収束技法「クロス法 」、発想カードを出してスタート

1.クロス法とは  クロス法は、発想データを項目別にまとめ、各データの評価まで一挙に行う技法で、アメリカのグレゴリーの7×7法から、(株)創...

1.クロス法とは  クロス法は、発想データを項目別にまとめ、各データの評価まで一挙に行う技法で、アメリカのグレゴリーの7×7法から、(株)創...


「アイデア発想法一般」の活用事例

もっと見る
災い転じてアイデアとなす -苦しい時こそ発想のチャンス-

1.不況のさなかに大病をわずらい、病床で「店員の総がかり販売作戦」を思いついたパナソニックの創業者 松下幸之助  松下電器産業(現、パナソニック)の創立...

1.不況のさなかに大病をわずらい、病床で「店員の総がかり販売作戦」を思いついたパナソニックの創業者 松下幸之助  松下電器産業(現、パナソニック)の創立...


-ナイロン、炭化タングステン- 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その2)

【ひらめきの法則 連載目次】 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その1) -活字印刷、合成ゴム 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その2) -ナイロン...

【ひらめきの法則 連載目次】 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その1) -活字印刷、合成ゴム 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その2) -ナイロン...


しつこく繰り返して、発見や発明を生んだ事例2-送り台つき旋盤、電信システム-

1.天文学の科学的知識を背景に、送り台つき旋盤を発明した、イギリスの技術者 ヘンリー・モーズリ    1797年にヘンリー・モーズリが発明し...

1.天文学の科学的知識を背景に、送り台つき旋盤を発明した、イギリスの技術者 ヘンリー・モーズリ    1797年にヘンリー・モーズリが発明し...