物流リスクマネジメント 内部統制活動に取り組む(その1)

 

 物流事業者も発注している会社も内部統制に対する取り組みは必要です。しかし内部統制にあまり馴染みのない会社も多いと思います。ということで今回は内部統制をテーマにお話をしてみたいと思います。

 内部統制は会社経営上のリスクをコントロールするための一つの方法であると考えられます。一般的に次の三つの分野で構成されます。

  1. リスクマネジメント
  2. コンプライアンス
  3. 財務報告

 それでは、1.のリスクマネジメントについて考えてみましょう。

 物流のリスクマネジメントは、さまざまな業種に影響を与える極めて重要度の高いものと考えるべきです。東日本大震災でも経験していますとおり、サプライチェーンの寸断が私たちの生活に多大な影響を及ぼしました。交通インフラ被災による通行止めや燃料不足ほか、ドライバーが出勤できないことから、輸送力が不足することもサプライチェーン寸断の一つの要因となります。

 もし道路が通れなくなったらどのようにルート変更するか、大型車が通行できない場合は車種変更をどうするかなど、事前に対策を考えておくこともリスクマネジメントの一つです。大切なことは、想定されるリスクをできるだけ数多く挙げることです。前もって物流に携わっている方にリスクの抽出をお願いしてみましょう。

 

 BCP( Business Continuity Plan )といわれるものがあります。これは日本語では事業継続計画と呼ばれるものですが、大きなリスクを想定し、会社を継続していくためにとるべき施策を考えていく計画のことを指します。

 物流事業者の場合、大きな災害があった際は使える資源が少...

なくなります。稼働できるドライバーやトラックが限定される可能性があるからです。その時にはすべての顧客に対し、同じサービスを提供することはできないと思われます。では会社としてどの顧客に対する仕事を優先するのでしょうか。

 BCPでは最優先顧客を決めておく必要があるのです。それが物流のリスクマネジメントというものです。

 次回に続きます。

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