収益の要因把握とは 物流収益管理の大切さ(その1)

更新日

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 業務別収支管理の実行

 物流会社は、月々の収益を認識し改善につなげていく活動が重要になってきます。この収益を認識する頻度は一般的に多いほうがいいし、そのメッシュも細かいほうがいいと考えられます。まず収益を認識する内容について考えていきましょう。

 物流センターであれば一般的にセンター業務と輸配送業務に分けられると思います。センター業務とは顧客の荷を預かり、その入出庫やピッキング、梱包業務を行って売りを上げる仕事です。一部流通加工があるかもしれません。

 輸配送業務は自社で行う輸配送と協力会社を使って行います。そこで最低でもこの区分で収益を把握することにしましょう。そのためには売り上げを「センター業務」「自社輸配送」「協力会社輸配送」に仕分ける必要があります。

 次にコストです。センター人件費やドライバー人件費、センター賃料や水道光熱費、間接経費、車両経費などそれぞれ把握し「センター業務」、「自社輸配送」、「協力会社輸配送」それぞれに関わるものに仕分けます。

 間接経費はどの業務に関わるものなのかは配賦(はいふ)になるかもしれません。しかしそれでも構わないので3つの区分でコストを把握します。また本社経費についても一定比率で3区分し、それぞれのコストとして認識しましょう。

 ここまでできたところで「センター業務」「自社輸配送」「協力会社輸配送」の売り上げからコストを差し引き収支を算出します。

 物流センターは全体で収益を確認することは当たり前ですが、どの業務で利益が出ているのか、あるいはどの業務で赤字になってしまっているのか、「収益の要因」を把握することも必要です。そこで最低でもこの3区分でそれぞれの収支を確認する...

サプライチェーンマネジメント

◆ 業務別収支管理の実行

 物流会社は、月々の収益を認識し改善につなげていく活動が重要になってきます。この収益を認識する頻度は一般的に多いほうがいいし、そのメッシュも細かいほうがいいと考えられます。まず収益を認識する内容について考えていきましょう。

 物流センターであれば一般的にセンター業務と輸配送業務に分けられると思います。センター業務とは顧客の荷を預かり、その入出庫やピッキング、梱包業務を行って売りを上げる仕事です。一部流通加工があるかもしれません。

 輸配送業務は自社で行う輸配送と協力会社を使って行います。そこで最低でもこの区分で収益を把握することにしましょう。そのためには売り上げを「センター業務」「自社輸配送」「協力会社輸配送」に仕分ける必要があります。

 次にコストです。センター人件費やドライバー人件費、センター賃料や水道光熱費、間接経費、車両経費などそれぞれ把握し「センター業務」、「自社輸配送」、「協力会社輸配送」それぞれに関わるものに仕分けます。

 間接経費はどの業務に関わるものなのかは配賦(はいふ)になるかもしれません。しかしそれでも構わないので3つの区分でコストを把握します。また本社経費についても一定比率で3区分し、それぞれのコストとして認識しましょう。

 ここまでできたところで「センター業務」「自社輸配送」「協力会社輸配送」の売り上げからコストを差し引き収支を算出します。

 物流センターは全体で収益を確認することは当たり前ですが、どの業務で利益が出ているのか、あるいはどの業務で赤字になってしまっているのか、「収益の要因」を把握することも必要です。そこで最低でもこの3区分でそれぞれの収支を確認するということになるのです。時々物流センター全体の収支は分かっていてもその原因がなぜなのかが分かっていないセンター長がいます。

 目標利益が出ていればまだいいのですが、もし赤字であった場合、その要因がどこにあるのかが分からないセンター長は失格です。このような簡単ではあるけれども意外とできていない数字の把握という重要業務があることを知っておきましょう。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンとキャッシュフローの関係

1.時間こそキャッシュの源泉  モノがサプライチェーン上を駆け抜ける時間を短くすれば、キャッシュの回転スピードは上がります。われわれがよく知っている「時...

1.時間こそキャッシュの源泉  モノがサプライチェーン上を駆け抜ける時間を短くすれば、キャッシュの回転スピードは上がります。われわれがよく知っている「時...


面積原価(その2)

 前回のその1に続いて解説します。    SCMのあるべき生産性の評価指標を検討するために、SCMの本来の目標は何か、もう一度振り返って考え...

 前回のその1に続いて解説します。    SCMのあるべき生産性の評価指標を検討するために、SCMの本来の目標は何か、もう一度振り返って考え...


生産材メーカーサプライチェーンの機会と脅威

 サプライチェーン上のポジショニングで見ることにより、金型・工具・工作機械など生産財メーカーの製品は、どのようにビジネスの機会が広がるでしょう?   生...

 サプライチェーン上のポジショニングで見ることにより、金型・工具・工作機械など生産財メーカーの製品は、どのようにビジネスの機会が広がるでしょう?   生...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
事業中断時間の許容範囲 物流BCPについて考える(その2)

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...


物流エラーの水準とは:物流協力会社の育て方(その1)

  ◆ 物流エラーの水準  日本の物流品質は海外に比べて比較的に高いということを何度もお話させて来ていただいております。そのレベルはエラーの発生が...

  ◆ 物流エラーの水準  日本の物流品質は海外に比べて比較的に高いということを何度もお話させて来ていただいております。そのレベルはエラーの発生が...


荷役安全と運輸安全マネジメント:物流安全の勘所(その1)

  ◆ 荷役安全と運輸安全マネジメント  物流は特に安全上の注意が必要な業務ですが、どんな仕事であれ安全第一であることは間違いありません...

  ◆ 荷役安全と運輸安全マネジメント  物流は特に安全上の注意が必要な業務ですが、どんな仕事であれ安全第一であることは間違いありません...