1. 工程分析で分かること
プロセスは「加工」「運搬」「検査」「停滞」に分類することが一般的です。では例を挙げて考えていきましょう。まず倉庫にものが納入されそれが仮置きされたとします。そしてその時に納入検品が行われたとしましょう。
- 納入荷降ろし(運搬)
- 納入場で仮置き(停滞)
- 検品作業(検査)
ここまでに三つの工程がありますが、付加価値作業たる「加工」は無いことがわかります。検品を終えた納入品はその後運搬され格納されることになります。
- 保管場へ運搬(運搬)
- 保管棚に格納(保管)
- 出庫(加工)
- ピッキング場へ運搬(運搬)
- ピッキング棚へ投入(保管)
そしていよいよ顧客のオーダーに基づきピッキングされます。
- ピッキング(加工)
- 出荷場へ運搬(運搬)
- 出荷場で仮置き(保管)
物流倉庫としてはピッキングして初めて付加価値が与えられます。もっと言うとこれが顧客の元へと届いた時点でキャッシュが生まれますので、この「届ける」という作業が最も付加価値が高いものと思われます。
このように工程分析を実施することでいかにムダな工程が多いかがわかります。さらに分析の中に運搬距離を加えることで長い距離を運搬していることがわかります。工程分析では付加価値工程の比率が一目瞭然です。この分析結果を見て無付加価値工程、低付加価値工程を減らしていくことに取り組むことが求められるのです。
2. 「会話力」と「改善力」
これらの分析手法を身につけ改善活動に取り組むことで物流スタッフは大きく成長します。物流は「カン・コツ・度胸:KKD」の世界だと言われ続けてきました。これは今も変わりません。もっと科学的に行動しないと物流の地位は向上しません。やはり自分たちが変わることで初めて物流の地位向上につながるのです。
物流事業者であれば顧客の物流改善について提案できなければ新たな仕事を取ることはできません。
今までお話してきたムダの見つけ方や分析手法を活用し顧客に認められるような提案をしていきましょう。あわせて顧客との会話のスキルについても磨いておきましょう。顧客から「不のつく言葉」を引...