物流はKKD:物流KPIについて考える(その1)

投稿日

SCM

 

◆物流は、勘・コツ・度胸

世界でも最強を誇ったそのモノづくりではさまざまな管理のしくみが構築されています。常にグローバルでの競争下に置かれ、日々改善し進歩していかなければ市場からふるい落とされてしまうといった過酷な環境。この環境下で製造業に携わる人たちは工夫を重ねてきました。5S、カイゼン、QC・・・。いろいろな手法を駆使して仕事を進歩させてきたわけです。

 

生き残るためには何とかしなければならない。顧客からも多くの叱咤激励が飛んでくる。これに日々応えていかなければならない。つまりもう改善せざるを得ない環境にあったといえるのではないでしょうか。一方で物流の方はというと・・・。

 

昔からのことですが物流は自分たちのパフォーマンスを明確に表すことが苦手です。ものごとを定量的に示すこともできません。この背景について考えてみます。たしかに1990年の規制緩和以降、競争状態に置かれたことは事実です。しかし昔からの免許事業の体質から変化しきれなかったのか、一向に改善が進みません。

 

まずもって物流の仕事に積極的に取り組もうとする人が少ないのです。物流業(運送業や倉庫業)を希望する人は多くありません。その結果として優秀な人材が集まらない。社内で人を育てられる人材がいない。だから人が育たない。このような負のスパイラルに陥ってしまっているのです。

 

結果的に現場で起きている現象を定量化できない、それらを管理していく指標も作れないといった状況にあると考えら...

SCM

 

◆物流は、勘・コツ・度胸

世界でも最強を誇ったそのモノづくりではさまざまな管理のしくみが構築されています。常にグローバルでの競争下に置かれ、日々改善し進歩していかなければ市場からふるい落とされてしまうといった過酷な環境。この環境下で製造業に携わる人たちは工夫を重ねてきました。5S、カイゼン、QC・・・。いろいろな手法を駆使して仕事を進歩させてきたわけです。

 

生き残るためには何とかしなければならない。顧客からも多くの叱咤激励が飛んでくる。これに日々応えていかなければならない。つまりもう改善せざるを得ない環境にあったといえるのではないでしょうか。一方で物流の方はというと・・・。

 

昔からのことですが物流は自分たちのパフォーマンスを明確に表すことが苦手です。ものごとを定量的に示すこともできません。この背景について考えてみます。たしかに1990年の規制緩和以降、競争状態に置かれたことは事実です。しかし昔からの免許事業の体質から変化しきれなかったのか、一向に改善が進みません。

 

まずもって物流の仕事に積極的に取り組もうとする人が少ないのです。物流業(運送業や倉庫業)を希望する人は多くありません。その結果として優秀な人材が集まらない。社内で人を育てられる人材がいない。だから人が育たない。このような負のスパイラルに陥ってしまっているのです。

 

結果的に現場で起きている現象を定量化できない、それらを管理していく指標も作れないといった状況にあると考えられます。物流は常に「勘・コツ・度胸」で動いている、つまり物流はKKDだと揶揄されることがあります。これは決して望ましい姿ではありません。しっかりと仕事を管理下に置き、定量的にものごとを判断できるようにしていく必要があると思います。

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
面積原価(その1)

 SCMの生産性を計るKPIとして、『面積原価』の概念とそれに基づくSCMのPDCAサイクルを実現する手法『面積原価管理』について解説します。 &nbs...

 SCMの生産性を計るKPIとして、『面積原価』の概念とそれに基づくSCMのPDCAサイクルを実現する手法『面積原価管理』について解説します。 &nbs...


SCMの適切な評価指標 SCM最前線 (その12)

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その4)

第4回 道具4「物流会社選定ツール」(上)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.今の物流会社に満足していますか &n...

第4回 道具4「物流会社選定ツール」(上)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.今の物流会社に満足していますか &n...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
輸送・保管・荷役・包装・流通加工 物流現状把握の重要性(その1)

  1. 無視できない物流コスト 会社全体の物流がどのレベルなのかをきっちりと把握しておくことが望ましいと思います。しかし多くの会社でそ...

  1. 無視できない物流コスト 会社全体の物流がどのレベルなのかをきっちりと把握しておくことが望ましいと思います。しかし多くの会社でそ...


サードパーティーロジスティクス サプライチェーンで効率化(その2)

◆ 3PLというシステム  一般的に多くの顧客は物流をコア業務として捉えていないため、物流を効率的にマネジメントしながら実行してくれる会社を求めてい...

◆ 3PLというシステム  一般的に多くの顧客は物流をコア業務として捉えていないため、物流を効率的にマネジメントしながら実行してくれる会社を求めてい...


物流現場の理想的な状態とは

  1. 現場を見た第一印象 ◆物流改善ネタ出し講座 【連載記事紹介】 ◆サプライチェーンマネジメントによる全体最適化 【連載記事紹介...

  1. 現場を見た第一印象 ◆物流改善ネタ出し講座 【連載記事紹介】 ◆サプライチェーンマネジメントによる全体最適化 【連載記事紹介...