◆アウトソースが期待外れの要因とは
物流がアウトソースされることが一般的になったようです。物流業務の内、何と85%がアウトソースされているというデータがあります。この数字が物語るもの、それは物流は自分たちの本業ではないという認識が挙げられます。
一方で「期待外れのアウトソース」も後を絶ちません。発注者としてはもっと効果を期待していたものの、それを結果として得られなかったということです。そしてその要因の多くが発注者側にあることもわかっています。そこで発注者の方には物流アウトソースの前にぜひやっておいていただきたいことがあるのです。ここをきちんとしておかなければまたぞろ失敗アウトソースが発生することになります。儲かると思って外部に委託したのに逆に損してしまったということのないようにしたいものです。
その第一に挙げられるのが発注業務の明確化です。物流の中でも比較的明確になりやすいのが輸送業務です。輸送の使命は決められた場所から目的地に運んでもらうということです。これだけであれば運送会社に毎日荷物と行き先を提示するだけで業務は成立します。
しかし輸送をもう少し細かく見てみると、「運ぶ」以外の条件があることに気づきます。たとえば積み込み条件について。
- 積み込み作業は荷主が行うのか、運送会社が行うのか
- 積み込みはフォークリフトで行うのか、手積みなのか
- 積み荷は荷揃えされているのか、その都度ピッキングが必要なのか
このような条件が発注時に明確になっていないと後々のトラブルにつながります。荷主は「運送会社が手積みで行う」と思い込みそれを伝えていなかったとします。運送会社は「荷主がフォークリフトで積む」と思い込み、荷主に確認していなかったとしたらどうなるでしょうか。
結果的にパワーバランスから荷主の考え方で運送会社が実施することになったと...
次回に続きます