大抵の場合、製造装置は新型の方が旧型よりコストパフォーマンスに優れます。マイナーチェンジかどうかで差異の程度は違います。例としては、次の4点です。
•プライスは据え置き若しくはダウンで性能アップ
•機能は据え置きでプライスダウン
•ニーズが低い機能を削ってプライスダウン
•プライスや機能は据え置きで耐久性やメンテ性に優れる
最近はエコブームなので基本性能に大きな違いは無いものの消費電力や廃棄量が少ない事を付加価値にして売り出している新製品もあります。新型導入のマイナス点は初期不良や信頼性不良( 直ぐには判らないケース多し )などがあると言えますがこれは導入メリットを考えると避けて通れないリスクと言えます。
製造現場において新型装置に期待されているポイントの一つに低ランニングコストがあります。つまり新型で製造したほうが変動費が少なく済むと言う点です。例えば旧型に対し次のような優位点が求められています。
1.新型の方が時間当りの生産量が高い(高スループット)
2.新型の方が少ないオペレータで作業出来る
3.新型の方が原料や副資材の消費効率が良い
3番の利点ですが、原料を処理して成果物を取り出す様な装置の場合、殆どの場合装置による材料のロスが生じます。また原料以外にも製品製造に間接的に使用される副資材(砥粒、研磨布、薬液等)の消耗があります。
よってこれら原材料や副資材のロスが少なく済む事で変動費も低減できる為、基本性能の大きな向上は無くてもコスト的に買い換える根拠が見いだせます。特にISO14000では廃棄が少ない装置を導入する事も有意義な活動となります。
一方新型設備の方が減価償却費があるので固定費は高いでしょう。売上から変動費を引いたものを限界利益と呼びますが、ランニングコストが低い新型の方が高い限界利益を生み出す事が出来ます。
また限界利益から固定費を差し引いたのが営業利益となるので固定費を回収し利益を出す為にも積極的に新型を稼働させる方が良いと言えます。つまり儲けを多く出す設備への割付けとは、ランニングコストを低くできる製造装置で製造する事だと言えます。
オーダーメイドでメーカーが製造装置の設計・開発に深く関わる場合も多いですが、品質や機能面だけでなく、上記のような対コスト性能の高いものを目指すべきでしょう。私は、開発畑にいたので装置メーカーと共同で仕様を決めていましたが多少固定費はかかってもランニングコストが出来るだけ低い仕様を考えオ...