サプライヤーマネジメントとして最初にやっていくべきことは「サプライヤー評価」です。いつも申し上げているSQDCMの5つの分野から公平公正に評価していくことが求められます。
この評価は最低でも年に一回は実施しておきたいものです。評価は、その時点で慌てて実施するのではなく、毎月定められた項目についてデータ取得をしておき、それを集約したものを年次評価とします。
この評価の目的は何でしょうか。それは評価結果に基づき、次年度の発注シェアを決めることにあります。努力して成績を向上させた会社にはより多くのシェアを与えます。
評価結果に基づきA、B、C、Dの4ランク程度に分類するとよいのではないかと思います。評価結果は必ず数字で示し、上位からAランク、Bランクと分類します。そして、Dランクになったサプライヤーは、原則として取引停止対象となります。それだけにこの評価は重要であり慎重に行う必要があるのです。
評価項目とレベルについては、誰が採点しても同じ結果となるように工夫する必要があります。例えば、不良納入が年間3件以上あったら「1点」、不良がゼロだったら「4点」というように、できるだけデジタルで測定できるようにしていくことが望ましいでしょう。
評価結果に基づき、優秀サプライヤー表彰を同時に実施することをお勧めします。そして優秀サプライヤーには報奨金など、なにかしらのインセンティブを出してあげるとよいのではないでしょうか。
年に一度、サプライヤー大会を開催し、そこで表彰式を実施します。全サプライヤーの前で表彰されることはサプライヤーにとって名誉なことでしょう。
また、表彰につきましては品質大賞や改善大賞などといったカテゴリー別の賞を設けてみることもよいかもしれません。なぜなら、カテゴリー別にすれば表彰されるサプライヤーが増える可能性があるからです。
サプライヤーは協力会社ですから、彼らのモチベーションが上がることは自社の品質などの向上にもつながります。だからこそ「褒めるしかけ」が必要になるのです。 ...
次回、その11では、サプライヤー集約について解説します。