購買業務の要点:必要とされる購買人財とは
2016-12-22
サプライヤー側では、より取引額が拡大するように望むでしょう。これを共通目標と意識することでどのような活動を実施していくべきかについて、検討する必要が出てくるのです。
私たちが求める品質を出してもらうためには品質目標を定め、それを達成できるように支援していくことが重要です。サプライヤーの製造現場があまりにも乱雑で、5Sができていないようであると品質不良は当然のごとく発生します。このような場合には、5Sへの正しい取り組み方を教えて、一緒に、5Sの達成目標を設定して改善に取り組むことです。
よりよい価格で購入を求めているにもかかわらず、サプライヤーが材料費で四苦八苦しているのであれば、こちらから材料を支給してあげることも一つの方法です。このようにお互いのメリットのためにはお互いが汗をかく活動が必要になるのです。特に東南アジアのサプライヤーは、まだまだQDCの向上に対する取組もノウハウも不足しています。
ここで日本の優れた管理技術を導入してあげると非常に効果があると思われます。東南アジアの会社はこのような技術の吸収に前向きですから、ぜひ指導してあげるとよいでしょう。もしかして、彼らに指導をしたところで言うことを聞いてくれないのではないか、と懸念を抱く人もいるかもしれません。
確かに多くの会社の方が東南アジアで改善が進まずに悩まれている事実もあります。しかし、ここは指導力の問題ということで自分たちの責任と考えたら如何でしょ...
うか。単なる押しつけでは相手は動きません。コーチングの手法も織り交ぜながら、どうしたら相手が動いてくれるのかを研究しながら進めてみましょう。このような指導力こそが今の購買担当者には求められているのです。単なる値切り屋ではなく、トータルQDCを向上させ、サプライヤーを育成できる人こそが今後必要とされる購買人財なのです。